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京都の改革

(3) クイズで知る文化遺産

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サル山の風呂のアイデアを企画した地元、岡崎中の生徒2人(手前、京都市動物園で)

 文化遺産に恵まれた京都が地域に目を向ける教育に力を注ぐ。

 京都市動物園のサル山に12日、1日だけの風呂が出来た。女子中学生が果物を投げ入れると、サルが次々と風呂に飛び込み、家族連れやカップルから歓声が上がる。サル山のプールをお湯で満たし、風呂につかるサルを冬の動物園の新たな観光資源に、という企画は大成功。実は、地元の中学生が発案者だった。

 校区内に平安神宮や銀閣寺も抱える市立岡崎中学校では、2年生の総合的な学習の時間を使って、グループごとに観光振興策を研究させた。2クラス計約20のプランから、11月に学年全体で八つを優秀企画に選んだ。地元の伝統野菜「鹿ヶ谷(ししがたに)かぼちゃ」を使ったプリンや、独自の散策コースガイド……。サル山の風呂もその一つだった。

 地元の文化遺産にちなんだクイズ集「岡崎検定」という優秀企画もある。「観光地の説明も、クイズなら観光客に気軽に読んでもらえると思った」と発案者の1人、松原慧君(14)。

 京都市には、ご当地検定として京都商工会議所主催の「京都・観光文化検定」がある。市教委はこれにならい、今年度からジュニア版「歴史都市・京都から学ぶジュニア日本文化検定」を始めた。それだけに、市教委は岡崎検定に注目、“ジュニア”の設問の一部に活用した。

 ジュニア版は知識を問うだけではない。茶道や華道など京都らしい体験と、その感想文を課す。「地域を見直すきっかけ作りが目的。行事や風習について、家族と話す機会になることも期待している」と市教委家庭地域教育支援課長の大黒喜裕さん(42)が説明する。

 基礎、発展、名人の3コースがあり、昨年11月、まず全市立小学校で約2万人の5、6年生が基礎コースを受けた。今月の発展コースは、希望者が自宅に届いた問題に答えて送り返す。

 06年度の教員採用試験では、京都の歴史や文化に関する設問の比重も増えた。

 市教委内には「京都に修学旅行に行かないのは京都の子だけ」という見方がある。背景には、せっかくの文化遺産が、これまで教育に十分に生かしきれてこなかったという反省もある。

 改正教育基本法には、教育の目標として「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」という条文が加わった。義務的検定の先に「愛国心の強制」を見る市民もいないわけではない。

 ジュニア検定は、地域の歴史や文化をどう教えるかの試金石にもなりそうだ。(木田滋夫)

 ご当地検定 「地域検定振興協議会」(東京)によると、地域検定は全国で85件あり、来年度はさらに16件が加わる見込み。同協議会では、ガイド養成を目的とした「観光人材育成型」、地域の歴史・文化の知識を問う「地域学型」など五つに分類。秋田県の「ナマハゲ伝導士認定試験」といった検定もある。

「岡崎検定」の問題例

〈1〉南禅寺で石川五右衛門が残した名ゼリフは?

 A「極楽かな、極楽かな」 B「絶景かな、絶 景かな」 C「絶望かな、絶望かな」

〈2〉銀閣寺の正式名は?

 A鹿苑寺 B慈照寺 C建仁寺

〈3〉平安神宮は誰を祭って建てられたか。

 A聖武天皇 B天武天皇 C桓武天皇

〈4〉哲学の道は約何キロ?

 A約1.5キロ B約2キロ C約1.8キロ

〈5〉大文字の送り火は何月何日?

 A7月28日 B8月16日 C5月4日

2007年2月16日  読売新聞)
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