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(7) 読解力磨く「情報の分類」国際的なテストで注目された読解力はどうしたら身につくのか。 「歴史って、考え方は一つじゃないんだ」 生徒から飛び出した言葉に、教育評論家の岡部憲治さん(38)は驚いた。先月、私立共立女子中学校に招かれ、3年の歴史の実験的な授業に挑んだ時のことだ。「子供の考察力は予想以上に鋭い」。自ら「かんがえ型」と名付けた読解力訓練法に手応えを感じた瞬間だった。 先月まで、大手進学塾日能研グループのNTS教育研究所で国際教育情報室長だった岡部さん。「かんがえ型」は、経済協力開発機構(OECD)による国際学習到達度調査(PISA)の読解力問題を分析する研究から生まれた。情報の共通点を見つけ、分類する作業を通じて、段階的に読解力のレベルを上げ、創造的な思考に導く。 授業は「世界大戦」がテーマだった。パソコン画面に並んだ「サラエボ事件」「ドイツ」「3B政策」などの歴史用語を、「三国同盟」「国の政策」「きっかけ」など新たな言葉で定義づけて図解し、最終的に自分で歴史の流れを論じる文章を書く。生徒たちは作業を通じて、戦争が起きる構図に共通点があることや、歴史的事実のとらえ方によって導かれる結論が全く異なることを発見した。 「情報をどう生かすかという『編集』作業そのもの。ノート整理にも役立つ」。岡部さんを招いた渡辺眞人教頭も舌を巻く。 「世界標準の読解力」(白日社)という本をまとめた岡部さんは「読解力を超え、創造的な考えを生み出す力こそ、世界で求められる能力」と考える。
岡部さんは、私立中高一貫校の入試問題を研究する中で、難関校の入試とPISAの共通点が多いことに気付き、PISAのレベル分類と私立中入試問題の読解過程をもとに独自の「習熟度レベル」を作った。 第2次世界大戦の授業の場合、歴史用語を整理して「枢軸国」「連合国」「きっかけ」「国の方針」と分類するのがレベル2。これらを「国同士の対立」「第2次世界大戦の原因」と集約してレベル3。この二つを「植民地を得るための戦争」というように方向づけるまでがレベル4だ。 ここまでは情報の分類と複数の情報を照合する作業。さらに自分で評価する視点を加え、「結局は自分の国の利益を拡大するために世界に戦争が広がった」というように、論理的に考えるのがレベル5、全作業を見渡して創造的思考力を発揮、独自の歴史論を組み立てるのがレベル6になる。 PISAの最高レベルは5だが、私立中入試には、複数の地図と説明文を手がかりに、バス路線について住民の不満の内容や事業の問題点を記述させるなど、レベル6が多かった。 「PISA型」を取り込んだ全国学力テストの国語も、読解力のレベルを分析してみた。小中ともに全レベルから出題されておらず、バランスが悪い。「レベル3の子が一足飛びに5や6の問題は解けない。段階的な訓練が大事」 読解力のレベルという考え方を、読解力向上のヒントにしたい。(片山圭子) PISAの読解力とレベル 文や資料を読み取ったり、自分の考えをまとめたりする、教科を超えて要求される能力。社会で生活する上で必要な実践的な力ととらえられている。「情報の取り出し」「文や資料などの解釈」「熟考・評価」という三つの分類があり、それぞれ5段階の習熟度レベルに応じて「どんな能力があるか」が詳しく定義されている。
※岡部さんが文章化 (2007年10月3日 読売新聞)
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