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続テストを生かす

(3) 創造性重視 流れ強まる

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今春の東大入試の自由英作文問題。自由な思考力が求められている

 全国学力テストの「活用」問題はどんな反響を呼んだのか。

 「どちらが役立つかと言われれば、断然区のテストです」。全国学テの結果公表直後、東京都荒川区内のある校長がもらした。

 基礎学力テストを2003年から小中全学年に行っている荒川区は、毎年学校ごとに改善プランを作っているため、今回の分析で特別な委員会などを作る予定はない。ただ、「(知識の活用力を問う)B問題の分析には興味がある」と区教委。先進的にテストに取り組む自治体にとって、今回のテスト結果の意外性は少ないが、B問題への関心は高い。

 今年度から独自に作成した副教材で読解力向上に取り組む神戸市も、全国の傾向と同様、A問題に比べB問題に課題がみられたが、「初めて経験する問題で、もっと低いかと思った」という声も学校から寄せられたという。「これまで取り組んできた副教材の活用や、教科を超えて『読んで考えて書く』指導に力を入れることが、B問題で求められる力につながるのではないか」と期待する。

 「求められている学力の姿は、大きな転換点にある」。大手進学塾の河合塾(本社・名古屋市)の木下泰一・研究開発企画部長は指摘する。全国学力テストは、この流れを方向づけた。

 木下部長は「文部科学省の学習指導要領改定に向けた中央教育審議会の中間まとめでも、社会で必要となる能力を育成するという方針が明確だ。大学入試への影響も避けられないだろう」とみる。

 今春の東大入試では、英語の作文問題で、絵に描かれた状況を自由に解釈し、決められた語数で記述させる問題があった。国公立大の3分の2が出題している「自由英作文」は受験生の多くが苦手として、対策講座が人気を集めるという。私大でも、災害被災地に必要な支援を選んで英語で論理的に説明させる問題(慶応大経済学部)など、情報を解釈して批判的に読み、創造的な思考力が要求される問題が目立ち始めた。

 こうした力はどう養うのか。教育評論家の岡部憲治さん(38)は、国際学習到達度調査(PISA)の基準をもとに考案した独自の習熟度レベルで全国学テを分析したところ、6段階のレベルのうち、真ん中にあたる「レベル3」が多いことに注目した。

 この段階は、情報を整理し、教科を超えて知識を関連づけたり、自分の生活体験や気づいたことと照らし合わせることが求められる。「ここが、創造的な思考にジャンプできるかどうかの重要な分かれ目」と岡部さん。「ここでつまずく子には、一つ一つの知識の意味や背景を丁寧に確認する訓練から始めなければ上には進めない」

 しかし、岡部さんは子供たちの可能性を見る。塾で小学生を教えた際、俳句を4コマ漫画に表現させる授業を試みたところ、暗記が得意でも、漫画の落ちを思いつかず苦しむ子が多いのに驚いたという。「勉強も四角四面にとらえず、自動車のハンドルのように『遊び』も必要。基礎知識はもちろん重要だが、子供の柔軟な発想を封じ込めない教育が求められている」と話している。(片山圭子)

 検証改善委で活用策 文科省は全都道府県と政令指定都市に調査結果の活用方法を検討する「検証改善委員会」を設置するよう求め、委託事業として年度内に「学校改善支援プラン」の作成を進めている。研究事業として、独自の事業計画を公募し、選ばれた自治体に予算を増額する制度も作った。内容は教員研修のための講師派遣や独自の教材作成費などで、これまでに6政令市と8県の検証改善委員会が採択されている。

2007年11月15日  読売新聞)
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