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08入試最前線

(4) 医学部受験 自治体が応援

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医学部合格を目指したセミナーで、予備校講師の講義に耳を傾ける高校生たち(4日、青森県総合学校教育センターで)

 医師不足に悩む自治体が地元の高校生の医学部受験を支援する。

 「あけましておめでとう、とは言いません。来年の今ごろはセンター試験を受けることになる。今から臨場感を持って準備してほしい」と青森県教委の三戸延聖(さんのへのぶまさ)指導主事が切り出した。

 年が明けたばかりの4日、青森市にある教職員の研修施設「県総合学校教育センター」で開かれた県教委主催の冬期実力養成セミナー。対象は、医学部を目指す県内の高校2年生だ。引率の高校教師たちも部屋の後ろでメモを取る。

 医学部、難関大を目指す生徒対象のセミナーは3年前から春休みと夏休みに行われてきた。今回は1月に日程を変え、医学部コースと難関大学コースの日程を分けて開催。医学部コースでは、東京から大手予備校講師を招いて2泊3日で、英語、国語、数学、化学、小論文の講義を受ける。夜も食堂や自室で自習する勉強漬けの3日間だ。引率の教員も、予備校の方法を学校の指導に生かすため、参加している。

 「予備校が多い都市部とは環境が違うので、その差を埋める必要があると感じている。貴重な機会を生かしたい」。地元の弘前大学医学部を志望する青森高2年の小野喬史君(17)が意気込む。

 今回のセミナーに参加した生徒は10校から51人。県内の医学部志望者は100人前後で、その半数が参加したことになる。33人までが小野君と同じ志望校だ。

 同大の医学部医学科は医師不足対策として今春入試から、定員が10人増の90人となった。増員分はそっくり、推薦入学での県内出身者の地域枠に充て、推薦入学枠は40人に、うち地域枠が30人となった。推薦入試の倍率は今年、3倍から3・5倍に上がり、地元受験生の反応も上々のようだ。

 一方、一般入試では都市部から来る受験生の合格率が高い。地元にとっては、地方大学が「狙い撃ちされた」と映る。こうした学生たちは、卒業後、青森を離れてしまうことが多いため、県教委では田村充治教育長自身が、セミナー開催のたびに会場に駆けつけ、高校生に「本県の医師になって県民の期待に応えてほしい」と訴える。

 8月には、中心部とへき地の各病院を高校生が参観する事業も開いており、セミナーと両方を受ける生徒もいる。ただ、昨年の一般入試で地元合格者はわずか2人。入試専門委員長の中根明夫教授は「都市部の受験生に負けない学力を」と期待する。

 医師不足が目立つ東北では、他県も事情が同じだ。山形県では今月、高校1年生に、大学の雰囲気を感じながら学ばせようと県立保健医療大学を会場にした受験講座を実施。岩手県では夏休み、医学部を含む難関大志望の高校生向けに、高校教員や予備校講師が講義をしている。秋田県では夏休みに、県内各地の病院で高校生向け医師体験プログラムを行っている。

 青森のセミナーで、生徒が3日間で負担した費用は宿泊費、食費の計4050円だけ。その手厚さは深刻な医師不足の裏返しと言える。(大垣裕、写真も)

 各大学で定員増 国は2008年度入試で、弘前、秋田、山形、新潟、山梨、信州、岐阜、三重、福島県立医科、岩手医科の医学部に最大10年間、10人の定員増を認めた。さらに、緊急医師確保策として、各都道府県の判断で国公私立大の定員を最大5人(北海道は15人)増員できる措置も取った。和歌山県立医大と横浜市立大は別途、20人増員した。河合塾によると、国公立大医学部50のうち、08年度入試で地域枠を持つのは27。

2008年1月9日  読売新聞)
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