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学校 統廃合

(9) 合同授業で単独校維持

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(上)5年生の体育では、3人1組でフットサルに汗を流した (下)4人1組で「いろいろな意味を持つ言葉」を探し出した4年生の国語

 学校を統廃合しない代わり、授業を一緒に進める地域がある。

 岩手県の三陸地方にある宮古市立刈屋小学校に、茂市、蟇目、和井内の各小学校から、4、5年生約40人がバスやジャンボタクシーで集まってきた。昨年12月4日の昼過ぎ。週1回、刈屋小の4、5年生11人と一緒に合同授業を受ける日だ。

 4年生は国語と体育。国語では約20人が4人1組になって、「相撲」や「受話器」など、「とる」ことができる言葉を話し合った。

 5年生は体育と音楽だ。まず体育館に集まり、約30人が4校混合で3人1組のチームを作ってフットサルの試合をした。ゴール代わりのカラーコーンにボールが当たると、観戦している児童から歓声が上がる。5、6年3人の複式学級で学ぶ和井内小の中居明日香さん(11)は「自分の学校ではチームを作って対戦することがなかなかできないので楽しい。でも一番好きなのは(合奏ができる)音楽」とはにかみながら話した。

 この日は4校の6年生約30人も、茂市小で国語と社会の授業を受けた。4年以上の算数で、4校の児童を習熟度別に班分けして指導することもある。

 「四つ葉の学校」と呼ばれる宮古市のこの試みは今年度が2年目。複数校で一緒に授業をする取り組みは、「集合学習」と呼ばれ、少人数校の多い地域では普通に行われているが、ほとんどは年数回程度。週1回ペースは珍しい。「子供たちには一定規模の学校で学ばせたいが、住民の要望もあって統廃合は難しい。その打開策として始めた」と中屋定基・市教育長。

 4校は宮古市西部の旧新里村にあり、創立130年以上。過疎化が進み、最も児童の多い学校でも50人だが、地域との結びつきは強い。どこも運動会は住民総参加。地区の全世帯がPTA会員の学校もある。

 旧村は1960年、中学校3校を1校にする構想を打ち出したことがある。しかし、住民の直接請求で村議会が解散する事態になった。中学校が統合されたのは43年後の2003年だ。

 3市町村の合併で05年に現在の宮古市が誕生し、市教委は小規模校の統廃合を進める方針を示している。だが、「地域住民みんなに守られているのは『良さ』だという意見もあり、旧新里村の4校は存続させる」と中屋教育長は断言する。

 4校は最も遠い学校で約15キロ離れている。学校間の移動には年間約240万円のバス、タクシー代がかかる。費用は今年度までは、文部科学省の委託事業として国費でまかなわれる。市は来年度以降も継続し、学校数を減らす以外の小規模校対策に道を開こうとしている。(高橋敦人、写真も)

 学校の標準規模 学校教育法施行令では、小中学校の標準規模を12〜18学級としている。文部科学省によると、2006年度、全国の公立小学校2万2878校のうち11学級以下は1万1337校と、全体の49.6%を占める。統廃合が進んでも、割合は10年前の96年度(49.5%)とほとんど変わっていない。

2008年1月25日  読売新聞)
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