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キャンパス探訪

(2)1泊2日で体験授業

街中で英語表記の案内板に注目する高校生ら(神戸ハーバーランドで)

 1泊2日で、観光学の一端に触れる取り組みがある。

 夏休みに入ったばかりの観光地・神戸ハーバーランドを、高校生4人が、神戸夙川(しゅくがわ)学院大学(神戸市)の学生や教員と歩いていた。同大のオープンキャンパス(見学会)の参加者たち。17人が4グループに分かれ、それぞれ神戸の街に繰り出した。

 各グループには課題が与えられていた。ハーバーランド組の4人は「神戸は外国人旅行者にとって歩きやすいか」。「お店の案内が日本語だけって、不親切だよね」。参加者の一人、相馬寿美さん(18)が案内板を指さすと、傍らにいた友好崇暢(たかのぶ)君(18)が、大学から貸し出されたカメラで写真を撮る。「日本語のほかに、何か国語ぐらい表示してあればいいと思う?」。すかさず指導役の大学生が質問を投げかけた。

 同大は、観光文化学部だけの単科大学として2007年に開学した。1、2年次では、観光都市・神戸の街の魅力と課題を見極め、観光学的視点から提言をする「調査研究」が必修科目だ。オープンキャンパスで授業を疑似体験させるこの企画は、開学前年の06年から、1泊2日で行われている。

 大学に戻ると、高校生らは引率教員の研究室で議論を深め、翌日の発表のための資料を作る。夕食を挟んでさらに作業を続け、ホテルに着くのは午後9時過ぎ。翌日も午前11時からの発表会に備えて、朝から打ち合わせをするハードなスケジュールだった。

 発表会には、教授陣のほか、学外から観光関係者も見学に訪れることもある。指導役の大学生も高校生も、少しでも良い発表をしようと、模造紙にイラストを描き込むなど、発表の手法にも工夫を凝らす。友好君は「小中高とは勉強の仕方が全然違う」とほおを紅潮させた。

 入試広報担当の植松幹雄課長(38)は「学生にとっても、日ごろの勉強の意味を再認識できるし、指導する側に回ることで、より理解が深められる」と見る。

 同大によると、1泊2日型オープンキャンパスの今年の参加希望者は約120人。7〜9月の週末に計4回開催する。7月19、20日の初回は島根県から、8月2、3日の2回目には福岡県や愛知県からの参加者もあった。

 この2年間で、説明会や学内見学を組み合わせた通常のオープンキャンパス参加者の出願率が5割未満なのに対し、1泊2日のオープンキャンパス参加者の出願率は7割を超える。さらに、入学後も勉学意欲がかなり高いという。

 観光系に焦点を絞り、いくつかの大学のオープンキャンパスに参加しているという相馬さんは、「良いところばかりを強調したり、遊びのような内容だったりの大学にはがっかりしていた。入学後の勉強がイメージできてよかった」と振り返った。

 バラ色のキャンパスライフだけを見せていても高校生の心はつかめない。(大広悠子、写真も)

 観光系の学部 4年制大学では、立教大が観光学科を1998年に観光学部に改組したのが第1号。政府が2003年に日本を訪れる外国人旅行者を倍増させる方針を打ち出したこともあり、城西国際大(06年)、和歌山大(08年)など、観光学部を設ける大学が増加。国土交通省によると、現在、観光関連の学部や学科を持つのは37大学。

2008年8月13日  読売新聞)
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