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教育ルネサンス

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学校の情報化

(2)手書き入力 「発言」次々

ほかの子の考えも参考にしながら、自分の意見を書き込む児童たち(和歌山市立雑賀小学校で)

 ICT(情報通信技術)導入が学力向上につながるか、研究が進む。

 円卓を囲む児童の前にはノートパソコンが1台ずつ。画面が倒れ、その横には入力用のペンが置かれている。

 「10月に見学に行く『花王』で質問したいこと、調べたいことを3人1組でまとめよう」。岡本友尊(ともき)教諭(45)の呼びかけで、和歌山市立雑賀(さいか)小学校5年生の社会科の授業は始まった。

 3人はそれぞれ異なる文字の色を選ぶ。自分の端末画面に文字を書き込むと、ほかの子の画面にもその文が映し出され、3人で画面を共有する形だ。ある子が「働いている人数・時間」と書くと、別の子が矢印を書いて「休憩している時間」と付け加える。「機械の種類はいくつ」との問いに、すかさず「予想100種類」と別の子が書き殴る。

 1枚の模造紙にみんなで意見を書き込むように、画面をスクロールさせながらどんどん広がっていく意見の輪。保存すれば持ち運びにも便利な“1冊の”電子ノートが、あっという間にできあがった。

 自分の考えを瞬時にまとめて手書き入力する「ライブ共有セッション」と呼ばれる授業。思考力・判断力・表現力を育てるのに有効だという。

 「みんなの前で発表するのは苦手だけど、文字ならどんどん書き込める」と男児(11)。別の男児(11)は「自分の意見にほかの子がアンダーラインを引いてくれると、うれしくて自信につながる」。

 「恥ずかしがって発言しない子の中にも、いい意見を持っている子はいる。そうした子が自信をつけ、意欲的に発表できるようになれば」と岡本教諭。

 和歌山市がマイクロソフトと協力し、同社が進めるNEXTプロジェクトの一環で「ICTを活用した学力向上のための研究プロジェクト(Wプロジェクト)」に取り組み始めたのは昨年10月。市内52の全小学校に、手書き入力が可能なタブレット型パソコンを1300台導入、研究実践協力校4校を中心に、ICTを活用した学習の効果のデータを集めている。

 「未来を担う子供たちにとってICTは不可欠。苦手という理由だけで活用しないのは、教師側の勝手な都合に過ぎない」と市立教育研究所の竹内弘純所長。岡本教諭ら小中5人の教員を研究所員に指定し、ICT推進のリーダーとしてほかの先生に技術を伝える存在になるよう、研修を重ねている。

 タブレット型パソコンには、漢字の筆順の正しさや、はね・とめの有無などのチェック、計算の仕方を順を追って教えてくれるシステムも備わる。「漢字テストの結果を比較すると、中・下位の成績の子供の点が底上げされた」と岡本教諭。

 一方で「ICTを組み入れようと悩みながら授業を見直すことが、結局スキルアップにつながる」。機器に使われることなく、あくまでも使いこなすことで、初めてその効果は発揮されるようだ。(保井隆之、写真も)

 NEXTプロジェクト 最先端のICTが未来の学校教育をどう変えるかを探るため、独立行政法人メディア教育開発センターとマイクロソフトが共同で進めている。海陽中等教育学校(愛知)、立命館小学校(京都)、神戸学院大付属高校(兵庫)、東京都港区立青山小学校もモデル校で、学力の向上、校務の効率化などを研究している。

2008年9月18日  読売新聞)
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