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学校の情報化

(4)文書共有 事務を効率化

事務作業の効率化を話し合う萩原事務局長(左から2人目)ら(小林小で)

 複数の学校の職員が事務を分担し、教員の負担を減らす取り組みがある。

 「定例献立担当者会議の開催について」「家庭の日、少年の日のポスター募集」――。宮崎県小林市立小林小学校では、教員たちが使用するパソコンの画面上に、幾つもの文書のタイトルが並ぶ。文書は、「教科」や「生活指導」「人事」など分野ごとに分けて保存され、検索もできる。

 市内で3月中旬から始まった「文書情報共有システム」。市内の全小中学校19校を、地域イントラネットでつなぎ、共同で文書を管理している。

 市教委などから届く文書は年間約2000件。校長や教頭らが回覧した後、担当教員に渡るのでは時間も手間もかかる。導入後は、教員が膨大な文書の山に埋もれて作業する姿も少なくなったという。

 共同管理は文書だけではない。各学校が所有する教材用のビデオテープなども一括管理し、どこの学校にどんな教材があるか、瞬時に分かるようになった。今後は教材の有効活用も進む。

 一連のシステムを開発したのが、19校の事務職員20人で構成する「小林市スクールサポートセンター」(SSC)。システムは事務職員がいない小規模校もカバーする。校内での事務作業の効率化について、萩原重憲事務局長(57)は「教員の負担を減らして子供と向き合う時間を少しでも確保してもらう。教員は本来やるべきことに没頭してほしい」と語る。

 市教委が2005年2月、全小中学校の教員に実施したアンケートでは、「手助けしてほしい業務」として、7割以上の教員が「会計業務」を挙げている。こうした声を受け、小林小では昨年度から、教員が担当していた教材費などの集金や督促、会計処理を事務職員が担うようになった。遠足で訪れる校外施設との交渉、クラス替えの際に担任が作成する名簿作りなども、事務職員が「代行」している。

 SSCの事務局がある小林小には毎週木曜、市内各校の事務職員が集まってくる。9月11日のテーマは「給食費の未納者に対する督促」。テーブルを囲んだ6人が、「どの程度の未納額で裁判まで進めるべきだろうか」などと熱心に意見を交わした。

 小学校での勤務経験もある小林中の事務職員、前田健二郎さん(41)も、SSCの活動で自分たちの仕事量が増えても、「教員が子供に寄り添う。そんなゆとりある学校の風景が戻るなら」と考えている。

 教員からは「放課後のデスクワークを考え、児童を早く下校させたいと思うことも以前はあった。今では教材作りなど、子供たちのための時間が持てて助かっている」=同小の花田かおり教諭(35)=といった声があがる。

 ただ、事務職員の負担が増せば、教員の給与管理など通常の業務に支障が出る恐れもある。SSCでは現在、煩雑な事務職員の業務のマニュアルを作り、効率化を図る作業も進めている。

 教員と職員がうまく仕事を分担できれば、効果は着実に子供たちにつながるはずだ。(加地永治、写真も)

 「子どもと向き合う時間の拡充」事業 多忙な教員の負担軽減のため、文部科学省が今年度から始めた。予算額は102億円。退職教員らを非常勤講師として7000人採用。地域住民が学校の運営を支援する「学校支援地域本部」を中学校区単位で全国に1800か所設ける。ただ、同時に文科省が要求していた事務職員の増員は認められなかった。

2008年9月20日  読売新聞)
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