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(6)図工で自己表現育む図画工作が、子供の読解力や表現力、社会性を育てる。 東京都江戸川区立篠崎小学校のホームページには、児童の作品がふんだんに紹介されている。ネットで公表することで、他校やデザイン会社、芸術家などから、感想や反響が寄せられるようになった。 仕掛け人は図工の専科教員、川島真紀雄教諭(58)だ。「社会に受け入れられる作品を意識することは、社会を学ぶことにもつながる。子供が社会と結びついた表現活動ができるのも、美術分野ならではの成果」 川島教諭はパソコンを使って図工の授業を充実させてきた。8日には、6年生のアニメーション作りが佳境を迎えていた。 子供たちは、自分で物語を考え、コマ割りをしたスケッチを元に、パソコンで自由に絵を描いていく。マイクで、声を吹き込むこともできる。「必ず音楽か声を入れて。音を入れると、漫画がアニメや映画になるんだ。友達に声優を頼んでもいいよ」 子供たちは数分の小作品に恋愛、SF、メルヘン、戦争、環境問題など、自由な発想で描いていく。早い時間に完成した作品は、授業中、教室のスクリーンで発表された。「音がユニークだ」「キャラクターが面白い」。教室に笑いが響いた。 図工の授業は、ただ創作させるのではなく、授業の狙いを明確にすることが大事だと川島教諭は考えている。 同小では6年生が抽象画を勉強する。最初は、ピカソなどを題材に歴史を学び、抽象画の色彩や形、バランスなどの法則性を理解してから、パステルクレヨンやパソコンを使った創作に入る。 「創作活動は一見、自由なようだが、例えば版画は白黒しか使えない。制約の中でどう自己表現するかを工夫し考えることも、子供が自主的に課題を解決しようとする力を育てることになる」 ◎
図工は2002年実施の学習指導要領で、小学校高学年の年間標準授業時数が70時間から50時間に削減された。危機感を覚えた教員らが06年に結成した「がんばれ!図工の時間!!フォーラム」の委員長、藤幡正樹・東京芸術大学教授は、「小学校の図工は美術教育の入り口ではない。正解がなく、言葉や数字を使わず、素材に直接触れて体験する表現活動は、すべての授業や学力の基礎になる教科だ」と力を込める。 しかし、図工の専科教員を置く自治体は少なく、すべての教科を担当する小学校の教員が図工に力を入れるのは容易ではない。「図工は知識重視の教育の中で、効率が悪い教科かも知れないが、図工の創作体験を国語の授業で作文にするなど、先生が工夫をすれば教科横断的な指導ができる」(藤幡教授) 篠崎小の川島教諭の場合、俳句にパソコンで絵をつける「俳画」にも取り組む。教科横断型指導の好例だ。豊かな表現力と思考力は、国語や算数だけで得られるものではない。(宮崎敦) 図画工作の専科教員 2004年の文部科学省学校教員統計調査によると、授業を受け持つ小学校教員で、図工を専門に教えている教員は、全体の0.5%(約2000人)。同省教職員課の06年度の集計によると、小学校で図工を専門に教えている教員のうち、中学や高校の美術の教員免許を持っているのは全国で1021人。 (2008年10月28日 読売新聞)
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