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(3)教員同士参観 共に工夫教員同士の簡便な授業参観の仕組みを作った大学がある。 学生が約220人もいる大教室だが、私語は少ない。流通科学大学(神戸市)サービス産業学部で2年の必修の授業「流通科学入門」。横山 90分の授業中、教室内を歩き続け、「君はどう考える?」と学生に問いかける。座席は学籍番号順の指定席。名前も分かる。居眠りを始める学生がいると、「この辺の睡眠率は高いね。僕が来る回数が少ないからかな」と笑わせ、眠気を吹き飛ばそうと努める。 神戸大大学院を修了、昨年4月に着任したばかり。授業の工夫を「ほかの先生の見よう見まね」と打ち明ける。流通科学大が前後期に3週間ずつ行う教員同士の授業参観で、先輩たちのやり方を見て、居眠りや私語、遅刻への対処法を身につけたという。 ◎
教員が互いの授業を見学し合う授業参観を取り入れている大学は少なくないが、実を挙げるのは難しい。流通科学大でも、始めたのは8年前だが、その後3年間に公開されたのは15授業、参観者も数人程度にすぎなかった。 そこで5年前、約1000の授業すべてを3週間、公開するよう教員に義務づけた。「学生にやる気を出させ、退学者を減らすには、教員が、授業を通して悩みと知恵を共有することが急務と考えた」と義務化の推進役、教育高度化推進センター長の 南木さん自身、20年前の開学時に着任して以来、同僚に授業を見てもらったり、学生に授業アンケートをしたり、独自の努力を重ねていた。塾講師や高校教員の経験もあり、「学生の力を伸ばすには、教員自身の学びが大切」と実感していたのだ。 授業公開義務化の翌年には、学内ウェブサイト上に3週間分、授業の日程だけでなく、どのような工夫をしているかも事前に調べることができるページを開設した。例えば「私語」をキーワードに検索すれば、私語対策で工夫をしている授業が探せて、その中から都合の良い授業を選び、参観を申し込むことができる。さらに、参観後の意見交換もウェブ上で閲覧できる。 ◎
悩み解決への“近道”が具体的に示されたことが教員を動かしたのか、この5年で参観者数は1400人を超えた。低迷していた学生の授業満足度は5点満点で4点前後と、1ポイント近く上昇、理解度は今年度前期、初めて4点を超えた。1年生の退学者も、昨年度は21人と5年前から半減した。 さらに今春、他大学でも使えるソフトを大学で開発、すでに他大学からの視察や問い合わせが相次いでいる。「大学の壁を越え、一緒に学生を育てていきたい」と南木さん。流通業界の風雲児と呼ばれた故中内功氏が生んだ同大。教育への熱い思いを、独自の方法で発信し始めている。(松本美奈、写真も) 授業参観「有効に機能」3割 読売新聞の「大学の実力 教育力向上への取り組み」調査で、実施している大学は499大学中290大学、58%に上ったが、「有効に機能している」は30%、「他大学の模範となるレベル」は2%に過ぎなかった。時間の確保が難しいことや、互いの授業に踏み込まないという、従来の教員気質が根強いことが背景にあると指摘されている。 (2008年11月6日 読売新聞)
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