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地域が支える学校

(13)住民の授業診断 定着


保護者や地域住民の前で音読を披露する五反野小の子供たち(10月)=三浦邦彦撮影

 コミュニティスクール指定第1号の小学校はどうなったか。

 体育館の後ろ半分が大人で埋め尽くされた。東京都足立区立五反野小学校で10月に行われた土曜参観には、保護者や地域住民ら約590人が、子供たちの学習の様子を見ようと学校を訪れた。在籍児童数を上回る数だ。

 同小では2002年から、朝の15分間、音読や漢字ドリルなどで基礎学力の向上を図る「パワーアップタイム」を設けている。その成果を見せる論語や詩の音読、全校児童による合唱など、元気いっぱいの発表が続いた。

 この日の参観は、保護者や地域住民が、授業診断をする場にもなっている。

 04年11月、全国で最初にコミュニティスクールに指定された同小は、その2年前から文部科学省の研究校として、新しい学校運営のあり方を考えてきた。その一環で、地域住民らが参画して学校運営の方針を決める学校運営協議会を、私立学校のように最も権限の強い印象がある学校理事会と呼んできた。

 「学校で何をやっているかを広く見てもらう。学校を理解してもらってこそ、地域住民は学校運営に力を貸してくれる」と2代目理事長の鴨下甚治さん(69)。

 研究校になった02年から続く「パワーアップタイム」は五反野小の象徴とも言える。理事会が目指す学校像として、基礎学力の向上を望んだ結果、始まったからだ。

 03年には、理事会の意向も聞いた上で就任した校長が1年で交代した。後任の三原徹さん(60)は、通信教育大手のベネッセコーポレーション出身。三原さんは4年間校長を務め、地域や保護者による授業診断を定着させた上で、副校長として支えた土肥和久さん(49)に後を託した。

 1年での校長交代は当時、東京の学校関係者に、「五反野ショック」という言葉で語られた。新しくできるコミュニティスクールは、校長を交代させることもできると解釈されたからだ。

 当時の校長と理事会には、基礎学力向上を優先するか、総合的な学力の向上か、といった学力観の違いが見られたのは確かだった。だが、そもそも理事会は02年の時点で民間出身校長を望んでいた。人事権を持つ都教委が一時、小学校への民間出身校長起用を渋ったことが、1年で校長が代わる遠因になった。

 現校長の土肥さんと理事会とは、三原さん同様、良好な関係が続いている。中でも、学校理事会長名で4月に出した「保護者の方へのお願い」は、その真骨頂だ。

 「教育は学校のみで完結するものではない」として、「礼儀やあいさつは、親が指導するのが基本」など家庭が守るべきマナー、モラル、ルール6項目を示した。しかも、この「お願い」に対して、9割の保護者から「確認書」を提出してもらった。

 地域が学校を支える形が整いつつある。(加地永治、中西茂)

 五反野小の「マ(マナー)モ(モラル)ル(ルール)」を守る
〈1〉登校時間を守る
〈2〉忘れ物がないよう親がチェック
〈3〉礼儀やあいさつは親の指導が基本
〈4〉基礎学習定着の宿題は家庭でやる
〈5〉子どもの話だけを信じて学校に文 句を言う前に状況判断をする
〈6〉PTA活動などに積極的に参加し 保護者としての責任を果たす

 ※表現は一部省略、変更しました。

2008年12月18日  読売新聞)
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