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(3)教育・研究内容で評価出会いの場づくりで、行きたい大学をつかませる。 教室に集まった高校3年生約80人が、真剣な表情で読売新聞社が作った「大学の実力」調査の冊子の一覧表に見入る。 予備校「早稲田塾」が10月中旬、東京・池袋校で開いた出願校決定説明会。教壇に立つ講師が表に記された大学別の学習支援策の見方を説明しながら、「勉強をサポートできる大学かどうか必ずチェックを」と呼びかけると、高校生の目は一層、険しくなった。 早稲田塾は10年以上前から、教育・研究内容による大学選びを提唱。一昨年からは「高校生と大学の出会いの場の提供」(相川秀希代表)を目的に、大学と連携し、最先端の研究を体感できる授業も展開する。連携先は立命館アジア太平洋大など9校に増えた。 「大学の実力」は、新聞を読んだ同塾総合研究所の主任研究員、倉部史記さん(30)の発案で取り寄せ、東京、神奈川で展開する15校全校の受講生に配布した。 冊子には、倉部さんの「読み解き方」のメモを添えた。メモの中で、標準修業年限卒業率7割、4年間の退学率1割強と回答した都内の私大には、「厳しく学生を育てることで社会から高い評価を得ている大学だということが、数値からも読み取れる」と説明。その一方、数字だけに頼らず、大学に直接問い合わせるなど、自分で調べて慎重に志望校を決めるよう勧めている。 倉部さんは2年前まで、「偏差値が低い」とされた都内の私大の職員だった。教職員まで劣等感を持つ姿に疑問を持ち、「大学は教育と研究で勝負」と、自分のブログで意見を発信し続けてきた。同塾への転職も、高校生に大学の中身を知ってもらいたいと考えたからだ。「大学選びは、自分の一生を決めることだとわかってほしい」 ◎
文京学院大学女子高校(東京都文京区)は今月11日、3年生約360人を対象に、専修や大妻女子など12大学の教員14人を一堂に集めて模擬授業を行った。最新の経済理論を解説する政治経済学部の授業や、中国映画から日中関係の変化を考えるコミュニケーション文化学科の授業など、大学のふだんの授業が展開されたが、居眠りや私語はない。「高校と違って難しい。でももっと聞きたい」と最後列の生徒は目を輝かせていた。 これも、教育の内容を実体験してからの大学・学部選びで、昨年から始めた試みだ。講師集めには都内の広告代理店も協力した。「名称だけでは中身がわからない学部・学科名が増え、指導教員が苦労している」と棚橋信雄教頭(55)が事情を打ち明ける。 棚橋教頭は今、現役の学生の声も必要だと考えている。オープンキャンパス(大学見学会)に出かけた生徒たちが時折拾ってくる「うちの大学に来ることは勧めないよ」という言葉が忘れられない。 大学の本当の実力を高校生に伝えるにはどうしたらいいか。現場の悩みは尽きない。(松本美奈) 多様化に対応した学習支援策 「大学の実力」調査では、高校での学習内容の補習や到達度試験など学習支援策9項目の実施状況を尋ねた。最も多かったのは到達度試験で、回答した499校の8割近い378校が実施。次いで習熟度別クラス編成が多かった。国公私立の別なく、学生の多様化へ対応した取り組みが浮き彫りになった。 (2008年12月25日 読売新聞)
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