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(8)障害話し合える社会へ読者から連載への感想が相次いだ。 「普通高校と特別支援学校とのはざまで、発達障害の子はちゅうぶらりんになっている」。広汎性発達障害のある中学2年の娘を持つ埼玉県の母親(40)は、そう指摘する。娘は知的な遅れがなく、療育手帳を持っていない。特別支援学校からは「管轄外」、普通高校からは「集団生活が苦手だと単位取得は難しい」と言われている。「高校の特別支援教育は名ばかりで、中学までの支援が途絶えてしまう」と嘆く。 ディスレクシアの中学3年の娘を持つ千葉県の母親(47)は、「普通高校へいきたい」という娘の希望をかなえるため、娘とマンツーマンで受験勉強に励んでいる。今の悩みは、娘の発達障害を志望校に伝えるかどうか。担任は「不利になるからふせた方がよい」と言うが、面接や作文で配慮をしてもらえる特例があることを教育委員会から聞いた。「アメリカなどでは、試験時間の延長や誤字・脱字への配慮は当たり前と聞く。その度に日本の特別支援教育の遅れを痛感して、ため息が出る」 このほか、苦手なことを力ずくでやらせようとした上、「できないのは親が甘やかしたからだ」と非難する、無理解な教師の対応に傷ついたという声などが寄せられた。 社会への橋渡しとなる、義務教育後の特別支援教育に課された役割は大きい。 ◎ ◎
「発達障害がある子の存在を認め、クラスに居場所を作ってほしい」。ディスレクシアを告白し、中学、高校で講演活動を行う南雲明彦さん(25)は、そう訴える。 文字がにじみ、かすみ、揺らいで見える――。読み書きが苦手だと意識したのは小学生のころ。「みんなと同じようにできないのは怠けているからだ」と自分を責めた。 教師から朗読するよう指されると、笑いを取ってごまかす。読めない自分を悟られぬよう、必死に「おちゃらけキャラ」を演じたが、高校2年になって受験モードに入ると、仲間の視線が厳しくなった。 学校に行くのも、人に会うのもこわくなり、自宅に引きこもった。「自分は汚れている」という強迫性障害が表れ、一日に何度も、何度も、手を洗わずにはいられない。3度の転校を経てたどり着いたのが、インターネットを活用した通信制高校だった。 21歳のとき、ボランティアをしようと、ディスレクシアを支援するNPOを訪れた。自分も当事者だと、初めて気がついた。「怠けていたわけじゃないんだと分かり、目の前が明るくなった」 同じように苦しむ子のためにも、発達障害を啓発することが必要だと考え、講演をするようになった。講演先で教室に入ると、つらかった学校時代の思い出が今もよみがえる。それでも、生徒から「学習障害のことがよく分かった」と言われると、当事者が声をあげる大切さを実感する。 「勇気ある告白」と言われることには、違和感を覚える。だれもが気軽に自分の障害について話し合える社会が、いつか来ると信じている。(聞き手・保井隆之) ディスレクシア 学習障害の一種で、知的な遅れはないのに、読み書きに困難を示しやすい発達の障害。日本での発現率は約5%、英語圏の発現率は10%以上と言われている。 ◇
次週からのテーマは「幼児教育」です。 (2009年12月12日 読売新聞)
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