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(9)絵本の世界 園児浸る図書館がある幼稚園で、園児は本を楽しむ。 「おじゃまします」。2月上旬、食事を終えた園児たちが元気な声を上げて図書館に集まってきた。約33平方メートルのこぢんまりとした本の部屋は、約25人の園児ですぐにいっぱいになった。 絵本による教育を大切にしている同園では、毎日、教室ごとに読み聞かせが行われ、各教室には100冊程度の本がある。絵本図書館は、2002年、園児たちが落ち着いて本の世界に浸れるようにと、同園の創立60周年を記念して開設された。 約3000冊の絵本や紙芝居などがあり、園児たちは食後や帰宅前に立ち寄って読んだり、本を借りて家で楽しんだりする。昼にはボランティアの母親たちが読み聞かせを行う。長男が同園に通う名古屋市の主婦、葉吹まりさん(44)は「月に1、2回、空いている時間にボランティアをしている。子どももここで読んだことがきっかけで本が好きになった」と話す。 地域にも開放しているのがこの絵本図書館の特徴だ。「転勤者が多い地域で、1人で子育てに悩む人もいるので、子育て支援に役立てばと思った」と 「言葉の力を育てていくのに絵本は大切。読み聞かせで子どもは本の世界への想像が膨らむと同時に、読んでくれる親の体温や鼓動も伝わり、親子のきずなが深まる。絵本ほど大事なものはない」と椙山園長は語った。 ◎
図書館を持たない幼稚園や保育所のため貸し出しを行うこども図書館も活用されている。 市立の「前橋こども図書館」(前橋市)では昨年9月から、絵本100冊をセットにして希望する所に3か月間の貸し出しを行っている。 市内には幼稚園や保育所が約100か所あるが、法律で図書館の設置が義務づけられている小中高と違い、図書館を備える所は少ない。同こども図書館には9万冊の蔵書があり、その多くが絵本で、読書推進に有効活用してもらっている。昔から読み継がれてきた定番の絵本や、最新の絵本なども合わせて貸し出している。 これまでに28か所に貸し出しを行っている。同館の渡辺幸江館長は「子どもたちは幼稚園や保育所で多くの時間を過ごす。その時間も本に親しんでもらえたら」と話している。 豊かな読書環境が、子どもの成長につながっていく。(名倉透浩) (2010年2月16日 読売新聞)
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