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楽しい図書館

(10)活用は様々 工夫次第

「新教員養成コース」の先進校視察報告会で、学校図書館活用教育について発表する学生たち(10日、東京都小金井市の東京学芸大で)

 読者から連載への様々な感想が寄せられた。

 「学校司書がいなくても、教員や保護者が工夫すれば、子どもたちが図書に親しむ環境をつくることができるのでは」というのは、神奈川県内の公立小学校に長女(5年)と長男(2年)を通わせる伊藤真衣さん(34)だ。

 長女が低学年のころ、保護者有志で授業開始前に読み聞かせをしていたという。「ただ『好きな本を読みなさい』では戸惑ってしまう子どももいる。親が本の魅力を伝えたり、授業で図書館を活用するなど、大人がきっかけを与えることが重要」と指摘する。

 都立高校の学校司書、佐藤久栄さん(54)は、東京都中野区立啓明小学校の図書館の取り組みに触発されたという。佐藤さんの勤める高校では、授業で図書館を利用する機会が少ないが、「先生たちに学校図書館を使ってもらえるように、働きかけていきたい」と話していた。

 このほかにも、学校司書と司書教諭、教員らが連携して、読書活動や授業での図書館活用を進めていくことを求める声が相次いだ。

 読書、学びの場として、学校図書館の有効活用への期待は大きい。

 「昼休みや放課後になると児童・生徒がなだれ込むように図書館に来て、活気にあふれていた」「学校図書館活用には、行政の支援や学校司書、教員たちの熱心な取り組みが欠かせないと実感した」

 東京学芸大学(東京都小金井市)で10日に開かれた、6年一貫で教員を育成する「新教員養成コース」の先進校視察報告会。昨年11月、島根県東出雲町立揖屋(いや)小学校と同東出雲中学校を訪れた学生たちが、学校司書らへのインタビューや、図書館を活用した授業見学を通して学んだことなどを発表した。

 「両校では、子どもたちが日常的に図書に親しむことで、自ら興味のあるテーマや問題を見つけ出しているように感じた」と視察の感想を話すのは、中等教育教員養成課程3年の関根和宜(かずよし)さん(21)。中学校社会科の教師を目指しており、「調べ学習などで図書館をうまく活用し、生徒の考える力を伸ばせる先生になりたい」と意欲を見せる。

 同大教職大学院の成田喜一郎教授(58)は「現職教員でも、学校図書館を上手に使いこなせる人は少ない。教員を志す学生たちに、図書館活用教育の有効性や方法を学ばせることは重要」と指摘する。

 同大では1992年から、教員養成課程の選択科目として学校図書館に関する科目を設けるなど、図書館活用教育に力を入れている。

 付属小・中学校などの学校司書らで組織する「東京学芸大学・学校図書館運営専門委員会」は昨年12月、ウェブ上に「授業に役立つ学校図書館活用データベース」(http://www.u-gakugei.ac.jp/~schoolib/htdocs/)を開設した。

 実際に学校司書が教員から相談を受けた事例を挙げ、紹介した書籍のリストや授業実践例などを紹介している。同大付属小金井小学校学校司書の中山美由紀さん(51)は「学外の学校司書や教員、先生を目指す学生にも参考にしてほしい」と話している。(奥田祥子、写真も)

 次のシリーズは、「親と向き合う」がテーマです。

2010年2月17日  読売新聞)
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