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(2)「苦情は宝」発想変え対応保護者対応の悩みを抱えこまないよう、学校全体で工夫を凝らす。 東海地方の公立高校の男性教諭(37)は、保護者とのトラブルを抱えたことが何度かある。特にひどかったのが、数年前、希望大学への推薦入学に成績が足りない3年生の母親から、調査書の書き換えを求められたケースだ。 即座に断ったが、しばらくすると、昼夜、土日を問わず携帯に電話が入るようになった。「調査書を改ざんすることぐらい簡単でしょ」と強い口調で迫られたこともあった。電話は数日間で収まったが、この間、誰にも相談できなかったという。 「1年間、問題なく終えるのが当たり前とされる世界。保護者トラブルが起きれば教員のミスとされ、話すのは恥という気持ちがある。当然、対応がこじれても、周りに相談しづらい」と、男性教諭は明かす。 東京都教職員互助会運営の三楽病院(千代田区)では、保護者とのトラブルを抱えて受診する教師が増えている。精神神経科の 「同僚との会話が少なくなったり、書類の締め切りが間に合わなくなったりと、ささいな変化を見逃さないこと」と真金部長。「何でも遠慮せずに話せる雰囲気を、普段から職場に作っておくことが大切」と助言する。 ◎
「早退は、子供ひとりで帰さない」「跳び箱は、マットを敷き指導する」「学校の保護者以外にも 東京都東村山市立 保護者から来るどんな苦情でも書き出し、学校全体で受け止める仕組みだ。 これを提案した西留安雄校長(60)は「保護者から指摘されて当然のことを、一学級の問題としてとらえてはいけない。視覚化して全員が共有することで、苦情が宝になることもある」と前向きだ。 数年前まで親のクレームが少なくなかった。しかし、発想を転換した。「うちの子は漢字を覚えない。しっかりと指導してほしい」と要望が来れば、独自の漢字検定を作り、学校全体で競わせた。児童のノートの書き方指導に注文があれば、きれいなノートを表彰する大会を企画した。 若手の指導・育成にも力を入れる。職員会議の時間をなるべく削って、その分、指導役のベテラン教師が若手教師に寄り添い、気づいたことを話し合える環境をつくった。 西留校長は「忙しいことを理由に変えようとしない学校もあると思うが、子どもの願いに応えるという教師の初心に戻れば、学校はいくらでも変えられる」と強調する。(大谷秀樹、写真も) 心の病 教師の場合、強いストレスから気分が落ち込んだり、やる気が出なくなったりする適応障害になることが多い。文部科学省によると、2008年度、病気休職した公立小中高校などの教職員8578人のうち、精神性疾患が原因で休んだのは63%の5400人で、その割合は年々高まっている。 (2010年2月20日 読売新聞)
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