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(6)高校生も80歳代も先生外国人の少ない地域で、日本語学習の取り組みが粘り強く続く。 「子どもは耳がいいのよ。お母さんが『聞いてください』と、『い』をはっきり言わないと、『切ってください』と間違えちゃうよ」 「『教えることができません』と『教えません』は何が違うかな?」 1月27日午前、秋田県藤里町の三世代交流館。月2回の日本語の出張講義で訪れた北川裕子さん(60)が、韓国と中国から国際結婚でやってきた女性2人に、はきはきとした話し方で日本語を教える。北川さんは、同町に隣接する能代市を拠点に、同市内や近隣で日本語学習教室を開催する「のしろ日本語学習会」の代表だ。 1997年に韓国から来日した農業佐々木幸子さん(63)は、「最初の何年かは、家でおばあちゃんやだんなと方言で会話するばかりで、上手なつもりだった。ある時、『日本語が下手』と言われてショックで」。 近くに学ぶ場もなく、北川さんに頼み込んで2004年から農作業や家事の合間に学習を始めた。08年に日本語能力試験3級に合格。地元の世界遺産・白神山地を訪れる韓国人観光客に簡単な通訳をするほど上達した。 「まだまだ、がんばればもっと上手になるよ」と、北川さんは励ます。 ◎
秋田県の外国人登録者数は、中国人、韓国人、フィリピン人を中心に4405人(2008年末)で、全国で4番目に少ない外国人散在地域。一方、日本人の配偶者を持つ外国人が約1割。約20年前から農村地域での「外国人花嫁」が増えた地域でもある。 北川さんが能代市で、日本語を母語としない人を対象に同学習会を始めたのは93年。中国帰国者の学習支援にかかわったのがきっかけだった。今では中国やフィリピンなど海外出身の主婦やその子どもら66人が登録。北川さんのほか、高校生から80歳代まで地域住民約20人がボランティアで教えている。 地方での生活情報は主に自治体の広報紙から得るため、読み書きの基本が大事だ。このため、テキストに沿って基本的な文法から学び、受講者には日常会話レベルの日本語能力試験3級、可能ならば同1級に合格するのを目標に学習してもらっている。一方で、盆踊り、花見、忘年会など地域住民を交えた行事を開き、地域に溶け込めるよう努力している。 県立高校放送部員として、一昨年春から同学習会の取材を行い、その後ボランティアとして参加していた3年生の伊藤ななせさん(18)は、「最初は外国の人が相手ということで緊張し、壁がありましたが、活動するうちに、地域の同じ仲間なんだな、と感じるようになりました」と話す。 「高齢化の進む地域を支えてくれる、我々なんか及ばない力を持つ人を育てる教室です」と北川さん。今後は、後継者育成が課題だ。(京極理恵、写真も) 日本語能力試験 日本語を母語としない人を対象に、財団法人日本国際教育支援協会などが年2回開催、今年度第2回は国内で9万5000人、海外で42万人が受験した。1〜4級があり、大学受験には1級レベルが必要とされる。来年度から内容が一新され、レベルは5段階に変わる。 (2010年3月11日 読売新聞)
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