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(7)効果乏しい国の支援
日本語教師の養成講座を受ける人たち。右は部長講師の小山さん(2月17日、東京・高田馬場の千駄ヶ谷日本語教育研究所で)
世界各国で日本語を教える教師らが、国際交流基金日本語国際センターで研修を受けた(昨年12月14日、さいたま市浦和区で)
今後、日本語はどう教えられていくのか。 「石油会社と言う時、私たちの多くは『せきゅ』と発音しています。学習者が『せきゅ』と聞き取って書くことで、ネイティブの私たちは初めて自分の発音を知るのです」 2月17日、東京・高田馬場の千駄ヶ谷日本語教育研究所。日本語教師養成講座で、部長講師の小山紀子さん(45)の話を十数人の受講生が熱心に聞いていた。「海外関連の仕事をしていたので興味を持って」と受講生の一人は話す。 日本語教師として働く場合、こうした養成講座(420時間)の修了、日本語教育能力検定試験合格、大学での日本語教育課程修了のいずれかが一般的な採用条件とされる。 ただ、2008年度の文化庁の調べによると、国内の日本語教師約3万1000人のうち、半数の約1万6000人がボランティア、約1万1000人が非常勤講師で、比較的安定した待遇の常勤講師は約4000人にすぎない。 地域での日本語学習はボランティア頼みだが、昨今「教える場所、金、時間、人材、知識」の不足で悲鳴を上げているという。 ◎
今月10日、さいたま市浦和区の国際交流基金日本語国際センター。カザフスタン、ケニア、インドなど29か国から来日し、半年間の研修を受けていた外国人の日本語教師44人の歓送会が行われた。研修は、母国で半年以上の教師経験を持つ人たちが日本語教育法を改めて学ぶもので、これまで71か国の1000人以上が受けてきた。 モロッコから来ていた男性アディル・エル・ハッダウィさん(32)は「モロッコでも日本語はブーム。実際に来日してみて、清潔さ、時刻表通りに電車が来るきちょうめんさなど日本の文化も知ることができた。帰国していろいろ伝えられる」と話す。 日本のアニメーション人気もあって海外では日本語学習熱が高まっており、133か国・地域で約298万人(2006年、同基金調べ)が日本語を学ぶ。 一方、教える側の日本語教師は約4万4000人。同基金でも、海外22か所を拠点に日本語教育を展開している。 ◎
田尻英三・龍谷大学教授(63)(日本語教育)は、「文部科学省から厚生労働省まで様々な官庁が外国人の日本語学習支援策を打ち出しているが、断片的、対症療法的で効果的とは言い難い」と話す。教える側の条件整備、待遇改善も課題だが、自国語の普及体制を積極的に整える欧州や中国などに後れをとりつつある。 日本語教育学会は、国の研究・開発機関として「国立日本語教育研究所(仮称)」を提唱。会長で名古屋外国語大学教授の尾崎明人さん(64)は、「日本語教育の能力評価、人材育成などに総合的に取り組むと同時に、外国人が日本語を学ぶ重要性に広く気づいてもらう必要がある」と語る。 日本語教育の将来をどう導くのか、国としての方向性が問われている。(京極理恵、写真も) ◇
次回からのテーマは「変わる校舎」です。 (2010年3月13日 読売新聞)
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