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(7)地元の熟練農家に学ぶ「地面の雪が解けないのは土の温度が低いから。もう1回ぐらい(雪が)降るよ」 関東一円に雪が降った直後の2月初め、神奈川県藤沢市の重田光雄さん(75)のハウスを訪ねると、まず天候が話題になった。話し相手は、ハウスと目と鼻の先の慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)にある環境情報学部の トマト栽培歴40年以上、関東で指折りの優れた生産技術を持つ重田さんは、SFC研究所訪問所員でもある。ハウスでは、神成さんの研究室で開発したシステムが、気温や土壌温度、日照量、残留肥料などの生育環境を、24時間自動的に記録、解析している。孫のような年齢の学生たちも週1回は農作業を手伝う。 「日本は人口減社会で、農地も減少傾向。農家の高齢化も進んでいる。でも世界的には食料不足。日本の熟練農家の優れた生産技術は、世界に売り出せる武器だ。従来は水をまく時期一つをとっても、一人前とされるのに時間がかかったが、熟練農家の技術を解析し継承することで、従来よりも短時間で一人前になることが見込める」と神成さん。 藤沢以外でも農家と連携、優れた生産技術の継承や活用に取り組み、農産物の付加価値の<見える化>も模索。生産段階からのデータを携帯電話で読めるイチゴは、一部スーパーで販売され、好評を博している。SFC1期生。元々は人工知能の研究者だ。 ◎
周囲に今も農地が多いSFC。入試の面接で「自給自足できるキャンパスにしたい」と訴え、入学直後に大学と交渉してキャンパス内の土地を借り受け、地元農家の指導を受けながら農作物を栽培した伝説の人物がいる。環境情報学部2期生で、現在は農産物流通コンサルタントの山本謙治さん(39)。 「面白いと学部長が何万円もカンパしてくれた。草創期のよさですね」。山本さんが作った農業サークル「八百藤」は、登録メンバーが150人に達した時期もある。開設時、地域に開かれたキャンパス・ビレッジ構想を掲げたSFC。その地域とのつながりを作った功績が、山本さんの塾長賞受賞を後押しした。 SFCでは、今も地元とかかわろうとする学生は少なくない。だが、「学生はもっともっと、地元とかかわってほしい。学生時代にできることは限られる。いきなり大きなことをやろうとしても無理。地域でできないことが、世界を相手にできるわけがない」。1年の3分の1は出張で全国を飛び回る山本さんから後輩へのメッセージだ。(中西茂、写真も) キャンパス・ビレッジ構想 環境との調和や地域との共生を掲げた周辺地区開発構想計画。1992年に報告書がまとまった。 (2010年5月7日 読売新聞)
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