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学習院の夏合宿

(1)砂漠化の怖さ 植林で体感

飛ばされないようわらで囲い、木の苗を植える(8月12日、中国・内モンゴル自治区で)

 照りつける太陽の下、靴がもぐる砂にスコップを突き刺して穴を掘る。バケツリレーで水を注いでも、数十秒後に姿を消す水たまり。

 「すぐ蒸発するので、水を注いだら、わらで周りを囲って」。民間団体「内モンゴル沙漠化防止植林の会」代表のボリジギン・セルゲレンさん(38)の指示に、学生らが噴き出す汗をぬぐいつつ、耳を傾ける。

 8月、学習院(東京)が中国・内モンゴル自治区で約2週間、合宿「学習院グリーン元気プロジェクト」を行った。その手始めが、砂漠化が進む同自治区東部、「ホルチン沙地」での植林ボランティア。参加した高校生2人、大学生17人、大学院生3人らの一行は、首都・北京から空路約1時間の通遼市へ、さらに車で2時間以上かけ、この地へやってきた。

 「砂漠化で私の村のコミュニティーは壊れた」と話すセルゲレンさんは、同地の出身。狩猟と放牧が生業の草原地帯で暮らしていた。移民急増による過剰な農地開墾などで、特に1990年代、砂漠化が急速に進行し、家族で移転を余儀なくされたという。

 1年で60センチの砂が積もり、家が埋まり、湖が消滅する惨状。2000年に植林に取り組み始めたセルゲレンさんは、「現状を知って」と、かつての留学先で、今は客員研究員を務める学習院に協力を求めた。

 一行は、3日間、モンゴル族の現地住民や、通遼市にある内蒙古民族大学の学生らと一緒に作業した。苗が風で飛ばされないよう、トウモロコシのわらを2メートル四方に植えた「草方格」約170個を設置し、そこに乾燥地帯でも生息するグミ科の木・サジーの苗を4本ずつ植えていく。別の場所には、マツの苗約260本を植林した。

 途中で体調を崩しつつも参加し終えた大学4年関佑子さん(22)は「何もなかった場所に、大勢で力を合わせてこんなにできた」と感激の表情。一方、大学3年の菊池優規(まさき)さん(21)は、厳しい自然の中で無事に育つかどうかはわからないという現実に、「こんな重労働をしても、成果が出るとは限らないとは、地味な取り組み。遠くからの資金援助だけではわからないことです」と話した。

 「野外学習などを通じて体力、社会性を養ってほしい」と始まった学習院グリーン元気プロジェクトは、一昨年のロシア・サハリン、昨年の小笠原諸島に続いて今年が3回目。内モンゴルで学生たちは何をつかみ、どう成長したかを、3回にわたって紹介する。(京極理恵、写真も)

 草方格 砂の移動を抑え、草や木の苗の定着を促す緑化技術の一つ。砂地にわらなどを差し込んだ柵で囲い、中に苗を植える。

2010年9月17日  読売新聞)
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