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    いじめ防止法1年

    (2)LINEで悪口…スマホ普及で防止難しく

    • LINEによる4人グループでのいじめの一例
    • 「怖かったし、とても不安だった」。LINEでいじめを受けた男性は今でも気が重くなるという

     昨年9月末に施行された「いじめ防止対策推進法」では、インターネットで行われるいじめへの対策も定められたが、スマートフォン(スマホ)の普及などで防止はより難しくなっている。

    死ね、ウザい…「精神的にこたえた」

     無料通話アプリ「LINE(ライン)」が始まって間もない2011年秋、当時高校生だった東海地方の男性は、いじめの被害に遭った。

     <死ねばいいのに>

     始まりは友人がLINEに投稿した悪口だった。理由はわからない。名指しはしないものの、自分のことだと分かった。悪口が続いたため、その友人の投稿は届かないようにしたが、今度は別の友人たちと作るLINEのグループで悪口が始まった。最初に悪口を書いた友人の知り合いがいたのかもしれない。

     <死ね><ウザい>。我慢してやり取りを見るだけにしていたら、<無視しているんだろ>。「自分は気にする性格じゃないと思っていたけど、精神的にとてもこたえた」と男性。約2か月間、悪口は毎日のように続いた。アカウント(登録情報)を変更し、その後グループのメンバーとは連絡を取っていない。

    「言葉荒く、書き込み過激に」

     友人同士で作るグループだけの閉じられた空間で、メッセージを会話のようにやり取りするLINE。国内の登録者数は、スマホ契約数に迫る約5400万人に上る。ネットに関する相談を受ける「全国webカウンセリング協議会」(東京)の安川雅史理事長は「面と向かっていないだけに言葉が荒くなり、他の子も強い子に同調し、書き込みが過激になる。ささいなことでいじめに発展する」。

     LINEを使って仲間外れにする新しい形のいじめも増えている。同協議会に寄せられた相談では、都内の女子中学3年生は今春、書き込みをすると無視されるようになった。学校で会っても話についていけない。友人たちは自分を除いてLINEで別のグループを作り、そこでやり取りしていたと後で知り、学校に行けなくなったという。

     同法や国の基本方針では「学校裏サイト」などネット上の掲示板やブログでの悪口を想定し、国や自治体に体制整備を求めており、IT関連会社に監視を委託する自治体もある。しかし、LINEのやり取りはグループ外から見ることができない。LINEの広報担当者も「電気通信事業法で通信の秘密が定められており、投稿を監視する予定はない」とする。

     対策として、情報セキュリティ大学院大学の湯浅墾道はるみち教授(情報法)は「LINEの利用規約には誹謗ひぼう中傷の禁止などがある。それらを徹底するために監視することがあると規約に定め、同意しないと利用できないようにすることが考えられる」と指摘。今後も、新たな機器やサービスが誕生するかもしれず、「対症療法ではなく、子どもたちにネットの危険性と正しい使い方を教えることが大切だ」と話した。

    2014年10月18日 08時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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