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    高校留学生、日本の「ホストファミリー」不足

    共働き増加、不況…希望に応えられず

    • AFS留学生の推移
      AFS留学生の推移

     日本に留学する外国人高校生を受け入れる「ホストファミリー」が不足している。

     交換留学を始めて今年で60年になる公益財団法人「AFS日本協会」によると、共働きの増加や不況もあって協力を得にくくなっており、日本への留学希望者を十分に受け入れられないのが現状という。

     群馬県の赤城山を望む県立前橋高校。10月上旬の放課後、1年生の教室でセベリン・マティス君(17)が級友と談笑していた。AFSの交換留学で米カリフォルニア州から3月末に来日し、来春まで同高に通う。

     「漢字に興味があって、日本の文化を知りたかった。授業の日本語は難しいけど、友達が英語で教えてくれる」とマティス君。弓道部、茶道部などにも参加しており、「学校に溶け込んでいる」と担任の平山圭一教諭(47)は話す。

     マティス君が滞在するのは、前橋市の会社員、迫田正博さん(46)宅で、自転車で20分ほどかけて通学している。一家は3年前にスイス、1年前にオーストラリアの男子生徒を受け入れた。今回は他県で留学生の受け入れ先が見つからず、要請に応じた経緯がある。

     同高3年で長男の哲君(19)、2年で次男の郁君(16)がマティス君と部屋を分け合い、妻の亜矢さん(43)は毎朝、3人の弁当を作る。チェスで一緒に遊びながら日本語を教えるのは、小6で三男の丈君(12)だ。

     「自分の子と同じように、お風呂の前には『シャツを裏返しに脱がないで』などと言っている。英語を十分に話せなくても、少しずつ分かり合えるようになった」と亜矢さんは話す。

     哲君は今夏まで1年間、スウェーデンの高校に交換留学した。「受け入れた留学生が日本語を話せるようになったのを見て、ほかの言語に興味を持った。互いの国や文化について伝え合う面白さも感じた」という。郁君も来年、アルゼンチンに留学する予定だ。

     相模原市の会社員、平田和之さん(42)一家は一昨年、インドネシアの女子生徒を受け入れた。敬虔けいけんなイスラム教徒だったため、長男の一馬君(12)や次男の隼也君(9)も、食事を共にする時は戒律で禁じられている豚肉などを避け、外出時は礼拝する場所を一緒に探した。

     一家は、今年も中米コスタリカの男子生徒を受け入れている。妻の雅子さん(41)は「互いを知り、違いを認めあえるのは貴重な体験。子供たちは世界を身近に感じている」と語った。

    「世界とつながる体験できる」…AFS日本協会

     AFSでは1954年に1期生8人が船で渡米して以降、昨年までに約1万8000人を47か国に派遣。64か国から約1万6000人を受け入れた。日本への留学生は東日本大震災で一時減ったが、その後回復。日本への留学熱は高い。

     AFS日本協会・東京支部長の橋本成子さん(56)は、ボランティアのホストファミリーについて、「100人にお願いしても、受けてくれるのは1~3人程度」と明かす。「おもてなしをしなければと負担に思うようですが、普段通りでいい。日本にいながら世界とつながる体験ができます」と強調する。

     文部科学省によると、高校生の留学(3か月以上)は、2011年度に3257人が海外に派遣され、1283人を受け入れた。(広中正則)

    2014年10月27日 08時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun