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    教育に関する様々な話題を随時紹介、解説します。

    首長が任命権限拡大…新教育長

     4月1日の改正地方教育行政法の施行で教育委員会制度が変わり、「新教育長」が各地で誕生しています。どんな仕事をする人ですか?

    教育委員長と一本化/任期は3年

     これまで、都道府県や区市町村の教育委員会には、教育行政の事務を行う事務局の責任者である教育長(常勤)と、合議制の執行機関である教委の代表者の教育委員長(非常勤)がいて、どちらも教育委員の中から選ばれていました。「2人も『長』がいると、誰が責任者かわかりにくい」という指摘があり、2011年の大津市のいじめ自殺問題では迅速な対応ができなかった要因の一つと言われました。このため、教育長と教育委員長の仕事を一本化し、新教育長が誕生しました。教育委員長は廃止されます。教委制度の見直しは約60年ぶりです。

     教委の仕事は、公立学校の設置・管理・廃止、教職員の人事、教科書の採択などで、改正前と変わりません。新教育長は、教委を代表し、こうした教育行政を具体的に進める際の責任者となり、事務局の指揮・監督もします。これまでは教委が教育長を任命していましたが、新制度では首長が任命します。任期は首長が4年の在任中に少なくとも1回は任命できるよう、3年に設定されました。

     新教育長と首長の関係は?

     教育には政治的な中立性が求められるため、あまり口出しすべきでないと考える首長も少なくありませんでした。新制度では、各自治体に首長と新教育長、教育委員らが教育施策について議論する「総合教育会議」の設置が義務づけられました。教育の目標などの「大綱」についてもここで調整し、首長が策定します。

     東京都中野区では4月中旬、第1回の総合教育会議が開催され、田中大輔区長らが出席しました。田辺裕子・新教育長は「首長との協議の場が正式に設置されたことで、子どもの育成を地域で支える施策などについて、連携をさらに強化できる」と、期待していました。

    • 田中区長(右端)との総合教育会議に臨む田辺新教育長(左端)(東京都中野区で)
      田中区長(右端)との総合教育会議に臨む田辺新教育長(左端)(東京都中野区で)

     新教育長は全国にどのくらいいるのですか?

     同法には経過措置があり、教育長の教育委員としての任期(4年)満了までは旧体制のままで構わないので、新教育長が誕生した自治体は一部です。文部科学省が4月1日時点で全都道府県や区市町村の教委などを対象に行った調査では、新教育長は都道府県・政令市の28・4%で任命され、19人。区市町村では16・0%で、275人でした。このうち、任期中の教育長が辞職したことで任命された新教育長は、計237人いました。

     教委制度に詳しい村上祐介・東京大准教授(教育行政学)は「教育長の任期満了前でもあえて新体制に移行した自治体は、教育行政に積極的といえる。新教育長の権限は改正前より大きくなったので、任命には慎重さが求められ、議会や教育委員はよりチェック機能を果たすことが必要だ」と話しています。(高山千香)

    2015年05月12日 08時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun