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    中学出ていない15歳以上に…夜間中学

    公立31校 生徒1849人 外国籍8割/増設の動き

     夜間中学(夜間学級)について、文部科学省が初の実態調査の結果を発表しました。なぜ今、調査をしたのでしょうか?

    • 夜間中学では生徒の習熟度に応じて個別指導も行われている(5月上旬、川崎市立西中原中で)
      夜間中学では生徒の習熟度に応じて個別指導も行われている(5月上旬、川崎市立西中原中で)

     夜間中学は1947年、戦後の混乱の中で、昼間働き、学校に行けない人らのために、公立中学校の「二部授業」という形で開設されました。ただ、設置は各自治体の判断に任され、経費などの理由で一部の地域でしか導入されていません。

     国勢調査(2010年)によると、義務教育を修了していない人は、外国籍の人も含めて全国で約12万8000人おり、昨年7月の政府の教育再生実行会議の提言で、夜間中学の設置促進が盛り込まれました。

     こうした状況を受け、文科省は夜間中学の必要性について把握しようと詳しく調べました。その結果、公立の夜間中学は昨年5月時点で8都府県の25区市に計31校あり、生徒数は1849人でした。

     25区市は、中学を卒業していない15歳以上の人を対象にしており、生徒の約8割の1498人が外国籍でした。国籍別では中国が799人と最も多く、次いで韓国(284人)、ベトナム(101人)でした。外国籍の人も公立の義務教育を希望する場合、国際人権規約などを踏まえ、日本人と同様に無償で受け入れることになっています。

     夜間中学の教員でつくる全国夜間中学校研究会によると、以前は在日韓国・朝鮮人や中国残留孤児の生徒が多くを占めていましたが、最近では親の国際結婚や、自身の就労のために日本に来た人が増えているそうです。須田登美雄副会長は「日本で生きていくための基礎的な教育を夜間中学で受けた上で、進学を目指す外国籍の生徒も多い」と話しています。

    Q 公立夜間中学のない地域ではどうしているのですか?

     ボランティアらが教える「自主夜間中学」や識字講座が広がっています。

     文科省が今回、併せて調査したところ、37都道府県の154区市町で307件の取り組みがありました。公立夜間中学の約4倍にあたる7422人が学んでおり、このうち少なくとも約6割の4434人が外国籍でした。また、不登校などのため中学で十分に学ばないまま卒業した人も通っていました。

    Q 夜間中学は今後、どうなっていくのでしょうか?

     超党派による「夜間中学等義務教育拡充議員連盟」(会長・馳浩自民党衆院議員)が結成され、今国会に公立夜間中学の増設や支援拡充のための法案を議員立法で提出しようとする動きがあります。文科省も「調査で一定のニーズがあるとわかった。就学機会の確保が必要だ」として、全都道府県に設置を促していく考えです。夜間中学の実態を踏まえ、外国籍の生徒らに必要な教材を開発するための支援やカリキュラムの弾力化、中学を卒業した人でも再び学べるような仕組み作りなどの検討も進むことになりそうです。(朝来野祥子)

    2015年05月22日 04時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun