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    全員参加 きめ細かい指導…全国学力テスト

     毎年小中学生が受けている全国学力テスト(学テ)にはどんな目的があるのでしょうか?

    基礎的知識、思考力みる 学校別成績、公表可能に

     現在の学テは小学6年生と中学3年生全員が対象で、今年4月には約220万人が参加しました。

     正式には「全国学力・学習状況調査」といい、国が小中学生の学力状況を把握して教育施策に役立てることが目的の一つです。また、自治体や学校ごとの結果を分析し、きめ細かい指導につなげるのも大事な目的です。全員参加方式では、一人一人の理解度や苦手分野が分かるので、個々人に応じた指導にも役立ちます。

     現在の学テは2007年に全員参加で始まりましたが、民主党政権下の10年、コスト削減を理由に抽出方式に変わりました。でも参加を希望する学校が多く、自公政権下の13年度以降は全員参加に戻りました。

     かつて、学テは「全国一斉学力調査」の名で行われた時期がありました。ただ過度な競争を招いた面や、学テが教育に対する国の「不当な支配」だとの判断を裁判所が出したこともあり中止に追い込まれました。最高裁で学テは適法だと決着したのですが、復活まで40年以上かかりました。

     今の学テではどんな力を見るのですか?

     教科は国語と算数・数学で、それぞれ、基礎知識をみるA問題と、思考力や応用力を測るB問題があります。約3年ごとに理科も加わります。今年の中学国語Bでは、2020年の東京五輪・パラリンピックについての文章や、日本の人口の推移のグラフなどを示し、「2020年の日本は、どのような社会になっていると予想しますか」と聞く問題が出ました。時事や、身近な出来事を織り込んだ出題が目立ちます。

     成績は、毎年問題が違うため単純比較はできませんが、A問題よりB問題の平均正答率が低い状況です。知識の応用や自分なりの文章を書くことが苦手な傾向と言えるでしょう。

     学テでは同時に生活習慣などについて調査をし、学力との関係を分析しています。14年度の結果からは、携帯電話やスマートフォンを使う時間が短いほど平均正答率が高いことが分かりました。

     また、最近は成績下位の自治体と全国平均の差が縮まってきました。下位と上位の自治体の教師が交流したり、各地で指導力向上のための研修会を開いたりしており、文部科学省はこうした取り組みが「学力の底上げにつながっている」とみています。

     成績はどのような形で公表するのですか?

     文科省は都道府県別の正答率を公表しています。14年度からは区市町村教委の判断で学校別成績の公表が可能になりました。ただ学校の「序列化」や過度な競争を招かないよう、数値を単に示すのではなく指導の改善策なども伝えるよう文科省は求めています。同年度に学校別成績を公表したのは区市町村教委の約6%にとどまりました。(桜木剛志)

    2015年06月12日 08時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun