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    「特別の教科」に格上げ…道徳

    数字でなく文章で評価示す

     小中学校の道徳が2018年度以降、「特別の教科」になると聞きましたが、一般の教科とはどこが違うのでしょうか?

     小中学校の道徳の時間はこれまで教科外の活動という位置付けでしたが、文部科学省は今年3月、学校教育法の施行規則を改正し、道徳を「特別の教科」に“格上げ”しました。

     国語や数学などの「教科」は〈1〉中学校以上ではその教科の免許を持った教員が指導〈2〉国の検定を受けた教科書を使う〈3〉5段階など数値も使って評価する――とされていますが、従来の道徳では三つともあてはまりませんでした。

     新たに教科となる道徳では、検定教科書は作られますが、道徳専門の教員免許は設けず、指導はこれまでと同様に原則、学級担任がします。また、学習の理解度や達成度を数字で示すのはそぐわないので、児童生徒の評価は文章で表すことになります。こうした違いがあるので、「特別の教科」と呼ぶことにしたのです。

     道徳の教科化は、2007年にも提言されましたが、この時は見送られました。子どもの道徳心に成績をつけるのはいかがなものか、との意見が多かったのです。

     しかし、大津市の中学生が11年秋にいじめを苦に自殺した事件が社会に衝撃を与えたことなどから、道徳教育の大切さがクローズアップされました。13年2月、いじめ問題などへの対応策をまとめた政府の教育再生実行会議の提言で、道徳の教科化が打ち出され、14年10月には、文部科学相の諮問機関の中央教育審議会が道徳を特別の教科とすることを答申しました。

     道徳の授業の歴史を教えてください。

     戦前の学校では、道徳教育を行う「修身」が重要な教科とされ、教科書もありましたが、終戦後に占領政策を担った連合国軍総司令部(GHQ)は、修身が軍国主義的だとして授業をやめるよう命令しました。日本が主権を回復した後の58年度から、「道徳の時間」が小中学校で週1時間、設けられるようになりました。

     その後教科化の議論もされましたが、「戦前の修身の復活だ」「価値観の押しつけにつながる」と反発する声が根強くありました。一方で、学校によっては道徳の時間をほかの教科の授業に使うこともあり、教員の力不足などで十分に教えられないといった、道徳教育の「形骸化」も指摘されていました。

    「考え、議論する」授業

     教える内容は決まったのですか?

     文科省は今年3月、学習指導要領を改定し、教える内容には新たにいじめの防止も盛り込まれました。道徳の教材をただ読むのではなく、問題解決や体験的な学習なども取り入れ「考え、議論する」道徳教育を目指しています。授業は現在と同じ週1回。小学校で2018年度、中学校では19年度からですが、学校の判断で今年度から教えられます。

     教科書については、文科省の教科用図書検定調査審議会が7月をめどに検定基準などについて報告をまとめます。文章での評価方法も、専門家会議で今年秋をめどに示す予定です。(伊藤史彦)

    2015年06月26日 08時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun