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    教育に関する様々な話題を随時紹介、解説します。

    クラス替えできる規模に…学校統廃合

    地域により難しい場合も

     少子化が進んでいるため、文部科学省が公立小中学校の統廃合に関する基準を見直したと聞きました。どのような趣旨なのでしょうか。

     見直しはおよそ60年ぶりで、子どもの数が少ない「小規模校」の統廃合を促す内容です。

     学校の規模が重視されるのは、児童生徒が集団の中で多様な考えに触れ、協力しあい、切磋琢磨せっさたくますることが教育上重要と考えられているからです。小規模校では、「コミュニケーション能力が身に付きにくい」という指摘もあります。

     文部科学省は、1956年の旧文部省時代に出した通達で、公立小中学校の「適切」な学級数を、1校あたり「12以上18以下」としています。当時、小学生は約1250万人いましたが、今は約650万人に減りました。これまでも学校統廃合は進められてきましたが、現在でも、小中約3万校の約半数が、12学級を下回っている状態です。

     新たな基準では、クラス替えができない規模、つまり小学校では6学級以下、中学校では3学級以下の場合、学校統廃合の適否を「速やかに検討する必要がある」としました。

     ただ、地域の事情もあり、単純に数だけで統廃合を進めることは困難です。2011年度に6学級未満の小学校が8校あった鹿児島県鹿屋市では、小学校を28から24に減らしましたが、それでも適正規模にならない学校があるそうです。同市教育委員会担当者は「学校が地域の活力の源になっていることを考えると、適正規模ばかり追求するのも難しい」と言います。

    通学距離の目安見直し

     山間部などで学校同士が離れていると、統廃合はさらに難しいでしょうね。

     今回は、通学距離の目安も見直されました。

     通学距離はこれまで、徒歩や自転車通学を前提に、小学校4キロ・メートル以内、中学校6キロ・メートル以内でした。でも統廃合がある程度進んだ今は、スクールバスを利用する小中学校が14~15%あり、統合で通学距離が目安を上回った学校もあります。このため、スクールバスなどの利用を前提として「おおむね1時間以内」という通学時間の目安を加え、事実上、通学距離のハードルを下げました。

     バス通学による運動量の減少などの課題もあるので、子どもが体を動かす時間を増やす対応策も示しています。

     学校がなくなる地域への配慮はありますか。

     学校は地域の将来を担う子どもを育て、交流の場も提供しています。文科省は統廃合について、可能な限り保護者や住民の意向が反映できる工夫をすることが望ましいとしています。具体的には、統廃合を検討する際、地域でアンケートを行ったり、公聴会を開いたりといった事例をあげています。

     学校の統廃合に詳しい文教大学の葉養正明教授は「今後は過疎地だけでなく、少子高齢化の進む大都市、中規模都市でも小規模校が増えるだろう。都市部でも統廃合を視野に入れた対策を考えることが必要だ」と話しています。(石川純)

    2015年07月10日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun