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    定員超過 さらに厳しく…私学助成

    学生の都市部集中解消/教育の質低下避ける

     定員を超えて学生を入学させている私立大学への補助金(私学助成金)の交付基準が厳しくなると聞きました。なぜでしょうか?

     私学助成金は、正式には「私立大学等経常費補助金」と言います。私学の教育環境の向上や学生の負担軽減などを目的に、国が日本私立学校振興・共済事業団を通じて補助しています。私大にとっては収入の1割程度を占めるお金です。

     定員超過に対し補助金の交付基準を厳しくするのは、入学者を決まった定員に近づけるよう私大に促す政策の一環です。定員を超え入学させると、大学側は授業料収入が増えますが、学生数に対する教員の数が減るなど、教育の質が低下してしまう恐れがあります。現在も大幅な定員超過には補助金が全額カットになるペナルティーがあります。

     基準をより厳しくするのはなぜですか?

     全額カットの基準は、約40年前には入学定員の7倍以上でしたが、徐々に引き下げられてきました。今回は、都市部の大規模な私大に学生が集中している現状を改善し、地方の大学が学生を集めやすくする地方創生の狙いが加わっています。

     文部科学省によると、昨年度、定員を超えて私大に入学した学生は全国で約4万5000人いますが、その約7割の約3万1000人が中規模以上の大学で、そのうち約9割が3大都市圏(東京、愛知、大阪など8都府県)に集中していました。一方、約46%の私大が定員割れでしたが、その多くは地方の小規模な私大です。地方の大学の活力がなくなればその地域にも影響が出やすいので改善しようというわけです。

     具体的にはどう変わるのですか?

     現在は、大規模大学で学部の入学定員の1・2倍以上、中規模大学、小規模大学は1・3倍以上入学させた場合、補助金が全額カットになります。来年度からこの基準を段階的に厳しくし、2018年度には大規模大で1・1倍以上、中規模大は1・2倍以上にします。一方、地方の私大に多い小規模大は1・3倍以上のままにします=表=。

     また、現在は定員を超えても全額カットの基準に達しなければペナルティーはありませんが、19年度からは新たに、定員を超えた人数分について減額します。ただ、こうした見直しだけで都市部への学生の集中が緩和されるわけではありません。地方の私大自らが魅力ある大学づくりに取り組む必要があります。(名倉透浩)

    2015年07月31日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun