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    教育に関する様々な話題を随時紹介、解説します。

    課題解決型の能力重視…学習指導要領

     小中高校の次期学習指導要領の原案をこの8月、文部科学省が発表しました。どんな内容でしょうか。

    次期改定で高校に新科目 小学校英語は教科に

     学習指導要領は、学校で学ぶ内容や授業時間数について文科省が定める基準です。教科書を編集する指針になるので、学校教育に大きな影響を与えます。

     次期指導要領は、2016年度中に全容が示され、小学校は20年度から、中学校は21年度から全面実施、高校は22年度から学年ごとに順次実施見込みです。指導要領は、文部科学相の諮問機関、中央教育審議会がほぼ10年ごとに内容を改めており、改定後に教科書作りなどが行われるので、学校での実施までには数年かかるのです。

     次期改定では、特に高校の新科目が注目されます。日本史と世界史を融合し、主に近現代史を学ぶ「歴史総合」、地球規模の課題を考える「地理総合」、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられることに伴い、政治参加意識を育む「公共」などで、どれも必修になりそうです。理数の知識を総合して生かす高度な選択科目「数理探究」も加わります。

     小学校の英語も変わります。現在は5、6年生が、歌やゲームで楽しく英語に触れる「外国語活動」として学んでいますが、これを3、4年生に前倒しし、5、6年生は正式な教科にして、小学校全体の学習時間を増やします。背景には、高校3年生の多くの英語力が中学レベルにとどまっているという分析があります。

     学校は学習指導要領以外のことも教えられるのですか。

     可能です。指導要領はもともと、戦後まもない時期に、各学校で自主的に授業計画を立てる手引として「試案」扱いで公表されました。1958年の改定から、学校制度の基本を定めた学校教育法施行規則に基づく「告示」となります。以降、文科省(旧文部省)は、指導要領を超える内容を教えないよう学校に指導してきました。

     しかし、完全学校週5日制に合わせて内容や時間を大幅に減らした98年改定の小中学校指導要領が「学力低下につながる」と批判されると、「指導要領は教える最低基準」と見解を変え、「発展的な内容」を扱うことを許容しました。

     時代によって、内容だけでなく考え方も変わるのですね。

     特に、「学力」や「学び」をどうとらえるかは指導要領の基本理念になります。日本が高度経済成長期にあった69年改定の中学校指導要領では、成長に貢献する人材育成のため、高度で科学的な教育を推し進め、学習量を増やしました。学力が低下すると批判された98年改定の指導要領には、学習内容を削れば子どもにゆとりができて「生きる力」が育つという趣旨もありました。現行の指導要領では、授業時間がまた増やされています。

     次期指導要領では、主体的に学ぶ態度や課題解決型の能力を育てることが重視されています。指導要領の内容が、こうした理念を実現できるものになるのか、今後の議論を見守る必要があります。(泉田友紀)

     「教育がわかる」は今回で終わります。

    2015年10月02日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun