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    教育に関する様々な話題を随時紹介、解説します。

    カドカワが「ニコ動」で乗り出す通信制高校の成否

    ネット通信教育の長所と短所

     通信教育には、段ボール箱で送られてきた教材を開き、ひとりで黙々と学習を進める孤独な学習のイメージがあるのではなかろうか。しかし、現在は、eラーニングを使った通信教育が主流になっている。

     従来型の通信教育にも、インターネットを使った講義やサポート体制が組み合わされたものが増えており、パソコンやタブレット端末、スマホでの受講も当たり前。SNSや掲示板もコミュニケーション用のツールとして、普通に使われている。

    • 出典:文科省のHPより 広域通信制高校設置数の推移
      出典:文科省のHPより 広域通信制高校設置数の推移

     21世紀になって増えたeラーニング主体の通信制大学・大学院としては、私が卒業した早稲田大学人間科学部eスクールのほかに、ソフトバンクが運営するサイバー大学、大前研一氏が学長をつとめるBBT(ビジネス・ブレークスルー大学)、熊本大学大学院社会文化科学研究科(教授システム学専攻)などが知られている。通信制・単位制の高校でも、クラーク記念国際高校のように、eラーニングの利用が進んでいる。

    • 出典:文科省のHPより 2003年度以降の通信制高校の在籍者数の推移
      出典:文科省のHPより 2003年度以降の通信制高校の在籍者数の推移

     eラーニングの授業は、教員の講義を動画で配信し、小テストやリポートを課すスタイルが一般的。この方式のメリットは、「いつでも好きな場所で受講できる」「何度でも繰り返し受講できる」の2点に集約されるだろう。

    • 出典:文科省のHPより 広域通信制高等学校の生徒数別学校規模の分布
      出典:文科省のHPより 広域通信制高等学校の生徒数別学校規模の分布

     ネットに接続できる環境さえあれば、自宅だけでなく、外出先での受講も問題なし。過去の講義動画がバックナンバーとして保存されていれば、何度でも復習できるところがいい。

     私は、フリーの「モノカキ」でもあったため、常時、仕事を抱えての受講となった。外出の際にはノートPCを必ず持ち歩き、少しでも時間が取れると、Wi‐Fiが使えるカフェやハンバーガーショップに飛び込んでは、授業の動画を視聴した。東海道新幹線のぞみの車中で授業を受け、課題を送信したことも何度もある。

     記憶力にはまるで自信が持てない年齢だったが、同じ授業を繰り返し視聴することで、なんとか授業についていくことができた。最短の4年間で卒業できたのも、このシステムがあったればこそである。教授が黒板に板書しながら一方通行で話し、学生はひたすらノートを取るだけの知識伝達型の授業なら、eラーニングの方が圧倒的に優れている。

     階段教室に大人数を集めての、名物教授による名調子の講義なら、ビデオに収録しておいて、いつでも見られるようにしておくべきだ。学生が好きなときに何度でも受講できるからである。さらに、教授が死んだ後でも授業が続行できる利点もある。もちろん後者はブラックジョークだが。

    2015年10月29日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun