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    「ゆとり」完全脱却、高校生の学習時間が初の増加

    • 「勉強は将来の成功に役立つ」「いい大学を卒業すると幸せになれる」など、子どもたちの学習に対する意識は変わってきている(写真はイメージ)
      「勉強は将来の成功に役立つ」「いい大学を卒業すると幸せになれる」など、子どもたちの学習に対する意識は変わってきている(写真はイメージ)

     ゆとり教育、大学受験競争の緩和などで減少が続いていた高校生の学校外での学習時間がこの25年間で初めて増えていたことが、ベネッセ教育総合研究所が昨年行った小・中・高校生に関する「学習基本調査」で明らかとなった。1990年から行われている同調査では、小・中生の学習時間も前回から増加に転じていたうえ、小学生が今回、過去最長を記録しており、子どもたちの学習時間の減少に完全に歯止めがかかる形となった。

     また、今回の調査では、勉強することの効用について「将来の成功に役立つ」「いい大学を卒業すると幸せになれる」などと肯定的にとらえる回答が増えており、小・中・高生の学習、学力、社会に対する意識が変化してきていることが浮き彫りとなった。

     同調査は公立校の小学5年生と中学2年生、高校2年生を対象に、1990年、1996年、2001年、2006年にわたって実施。小・中校は東京23区、四国、東北の3地域、高校は九州を加えた4地域について、毎回ほぼ同じ学校の児童・生徒に対するアンケート調査を行っている。第5回については、2011年に東日本大震災が発生したため、9年ぶりに昨年6月から7月にかけて行われた。

     今回の調査では、「脱・ゆとり教育」の流れの中で、2020年度の学習指導要領改定と大学入試改革に向けて、子どもたちが議論を通じて答えを探求する「アクティブ・ラーニング」型授業への取り組みが進む現状をにらんで、「小・中・高生が主体的に学ぶようになったのか」「勉強の効用などについての意識がどう変化したのか」などに着目。有効回答数は小学5年生が2601人(33校)、中学2年生が2699人(20校)、高校2年生が4426人(18校)だった。

     【以下の図表はベネッセ教育総合研究所「第5回学習基本調査 DATA BOOK」より引用】

    増える宿題…学校外での学習時間、小学生は過去最長95.8分

     家庭や塾など学校外での平日の平均学習時間については、高校生が全体で2006年の「70.5分」から「84.4分」に増加。1990年以来続いていた減少傾向から脱却した。その中でも、「偏差値50以上55未満」(2014年度進研模試)の中上位層の学校の生徒の学習時間が「60.3分」から「84.5分」に急増していた。

     小・中生の学習時間は2006年に続いて増加。小学生が「81.5分」から「95.8分」と大幅に増えて過去最長を記録したほか、中学生は「87.0分」から「90.0分」となった。

     一方、宿題の内容についての質問では、「教科書の要点まとめ」「漢字練習」など児童・生徒自らがテーマを決めて先生に提出する「自学ノート」など「自主的な学習」を行う割合が高まっていることがわかった。「週4日以上」こなす児童・生徒が、小学生の42.6%、中学生の53.4%に達していた。自主的に学ぶ「アクティブ・ラーニング」型の授業についても、「好き」と答える割合が小・中・高校生で増えていた。

     家庭などでの学習時間が増えた理由としては、学習指導要領の改定、全国学力テストの導入などの動きの中で、学校側が家庭学習指導を強化したことで、児童・生徒が宿題をする時間が増えたことがある。宿題が学習時間に占める割合は、小学生では7.3ポイント、中学生では5.8ポイント増えて、共に全体の5割を超えた。小学生が最長時間になったことについては、中学受験の勉強に取り組む子どもの多い東京23区の事情もあるという。

     中上位層の高校生の学習時間が急増した理由について、初回から「学習基本調査」にたずさわる耳塚寛明・お茶の水女子大教授は「小・中校で学習する習慣をつけてきていることの影響、就職時を考えて有名大を目指すことなどが考えられるが、今後の分析が必要」と指摘する。

    2016年01月29日 16時40分 Copyright © The Yomiuri Shimbun