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減るアルマイト食器 磁器に切り替え

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白い磁器のおわんに入ったキノコ汁を食べる児童たち(神奈川県藤沢市の羽鳥小学校で)

◆「温かな」磁器に切り替え

 食器の入ったかごから、給食係の児童が白くて滑らかな磁器のおわんと平たいパン皿を大切そうに取り出し、配ぜん台の上に重ねる。別の給食係が、この日のメーン、牛丼を豪快に盛りつける。キノコ汁も手際よくよそっていく。立ち上がる湯気が食欲をそそる。

 神奈川県藤沢市の市立羽鳥(はとり)小学校。アルマイト製の食器を長年利用してきたが、昨年9月から3種類の磁器を使い始めた。いずれも割れにくいように加工された強化磁器と呼ばれるもので、ピンクや水色の小花模様が縁にあしらわれたかわいらしいデザインだ。

 「見た目が冷たくて無機質なアルマイトに比べ、家庭でもなじみの深い磁器はあたたかな雰囲気があります」と同校栄養士の松下香代子さん。

 校長の下村修市さんは「食事中、金属がこすれ合う不快な音が消え、静かになった。磁器は落とせば当然割れるため、食器を大切に扱うことも学んでいるようです」と目を細める。

 軽くて丈夫なアルマイト食器は長年、全国の学校で重宝されてきた。だが、熱が伝わりやすいため、熱い汁物を入れると、熱くて手で持てなくなる弱点がある。このため、食器を机の上に置いたまま前かがみになって食べる姿が目立ち、「犬食い」と批判されたこともある。

 そこで同市は「より家庭に近い食事環境を」と、1996年から、小学校など36校で順次アルマイトを磁器に切り替えてきた。これまで18校で完了した。

 ただ磁器を導入すると、食器価格が約3倍になるのをはじめ、洗浄機や保管庫の改良費などを含め1校当たり約1000万円の負担増になる。

 文部科学省によると、アルマイト食器は1991年の調査で初めてポリプロピレン(樹脂の一種)に1位の座を譲り、それ以降は右肩下がりに。昨年の調査では、ポリプロピレン36%、強化磁器21%、メラミン(同)14%、アルマイト13%――の順。

 最近は「子どものうちから、職人が手作りした本物に触れさせたい」と、高級漆器を給食に導入する学校も出てきている。沖縄や福島、石川など漆器産地が多い。

 また、めん類などが食べにくく、はしの使い方を覚えないなどと指摘された先割れスプーンは次第に姿を消しつつある。現在、毎食利用しているという小中学校は約1・3%(409校)に過ぎず、大半がはしに代わった。

 パン一辺倒だったかつての給食は、ご飯と伝統的なおかずを組み合わせた和風の食事を取り入れるなど、徐々に変わりつつある。食生活の“豊かさ”や、子どもにとっての使いやすさを追求していくと、食器もまた変化を重ねていくのだろう。

(2004年11月11日  読売新聞)