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    就職した先輩たちの経験・教訓を取りあげます。

    顧客が求める香り探す…高砂香料工業

    「頼られる営業マンが目標」… 光武 みつたけ 宏祐 こうすけ さん 27

    • 毎週のように会社の研究所に出向いて調香師と打ち合わせをする光武さん(神奈川県平塚市で)
      毎週のように会社の研究所に出向いて調香師と打ち合わせをする光武さん(神奈川県平塚市で)

     お菓子やジュースなどのおいしさを引き立てる香料をメーカーに販売する営業部門で働く。2016年4月からは大手飲料会社との取引を担当している。

     香料は注文に応じて生産する。取引先の担当者が語る微妙なニュアンスを社内の「調香師」に伝えるのも重要な任務だ。香りの表現は人それぞれ。担当者が口にした言葉を必死に書き留めたノートはすでに19冊になった。「取引先に『この香りだよ』と喜んでもらえた時が一番うれしい」と話す。

     13年に入社した。翌14年の夏、製菓会社から契約を取るのに成功した。だが、後になって注文された香料の生産に必要な原料の在庫がないことが分かり、青ざめた。製菓会社に謝罪する一方、早期調達に向けて奮闘。何とか納期に間に合わせた。「事前確認の大切さを身にしみて感じた」と話す。

     上司の武者むしゃ伸彦さん(46)は「明るくて爽やかな人柄。行動力もある」と評する。

     大学3年生だった10年秋から始めた就職活動では、人と話すのが好きな性格を生かそうと、メーカーや商社の営業職を志望。面接では大学の準硬式野球部でムードメーカーとして活躍した点を訴え、食品会社など2社の内定を得た。

     ところが、単位を落とし留年が決定。部活や塾講師のアルバイトに精を出しすぎたのがたたった。友人にも会わず、読書にふけった。偶然手にした本で、高砂香料工業を知り、「香りで生活を豊かにするなんて面白い」と興味がわいた。

     ちょうど翌春入社組の採用面接が始まった時期。すかさず同社を含む5社に応募した。面接では「人生初の挫折を経験し、自分を見つめ直せた」と素直に打ち明け、同社の内定を獲得した。

     最近は決まった答えがない営業の仕事にやりがいを感じているという。「『光武なら何とかしてくれる』と思われるようになりたい。頼られる営業マンが目標です」と意気込んでいる。(沢井友宏)

    高砂香料工業
     1920年設立。食品や化粧品、洗剤などで使われる香料を国内外で製造販売している。資本金92億円。売上高609億円(2016年3月期)。従業員数993人(16年3月期)。本社は東京都大田区。2016年度の新卒採用者数は14人。17年度は約30人を予定。

     (2016年12月6日の読売新聞朝刊に掲載)

    2016年12月06日 10時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun