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    社会に出ることを意識して活動中の大学生、前向きに働く若手社員らを紹介します。

    視野広く 夢は世界へ

    神戸市外国語大4年 谷幸穂さん 24

    模擬国連で事務総長

    • 「模擬国連を通じて素晴らしい仲間と出会えたのも大きな収穫」と話す谷さん(神戸市西区の神戸市外国語大で)=菊政哲也撮影
      「模擬国連を通じて素晴らしい仲間と出会えたのも大きな収穫」と話す谷さん(神戸市西区の神戸市外国語大で)=菊政哲也撮影

     大学生らが国際問題の解決に向けて討議する「模擬国連」。昨年11月、日本を含む11か国の学生ら約330人が参加した世界大会が神戸市で開かれ、事務総長役を担った。

     「『大量破壊兵器の廃絶』や『減災』といったテーマで4日間、英語で話し合いを行いました。日本で世界大会が開かれるのは初めてで、何とか成功できてうれしかったです」

     大学入学後、関西の学生が集まる模擬国連の研究会に入り、議論の方法などを学んだ。1年生の3月に米国ニューヨークで開かれた世界大会に大学の代表として参加。その後も5回の世界大会に出た。

     「最初は、議論に加われず悔しい思いをしました。海外のニュース番組を見るなどして英語力を鍛えました。模擬国連のおかげで、世界を見る視野が広がったと思います」

    小学生から毎年留学

     6歳で親元を離れ、和歌山県の私立小学校へ。系列の中学校、高等専修学校に進み、12年間の寮生活。小4~中2に毎年英国に約3か月留学し、英語好きになった。

     「海外の大学への進学を考えましたが、足元を見つめることも大切と気づき、出身地の兵庫県の大学を選びました。学外の女性リーダー養成講座に参加し、国内外で活躍する多くの社会人と知り合いました」

     移民・難民問題に関心が強く、卒論は多様な人々が共生できる社会に向けた考えを英語でまとめた。就職活動では海外展開する企業を中心に応募し模擬国連で培った交渉力やリーダーシップをアピール。バーコードなどの自動認識技術による事業を手がける「サトーホールディングス」(東京)から内定を得た。

     「将来は国際業務を担当したい。ビジネスを通じ皆が住みよい社会にしていきたいですね」

    「交渉力」求める企業

     経団連が2015年に発表したグローバル人材に関するアンケートで、回答した309社のうち「人材育成が海外事業展開のスピードに追いついていない」とした企業は63%に達した。このため、新卒採用でも国際展開の戦力となる学生を求める企業は多い。

     キャリアコンサルタントの上原隆さんは「英語が話せるだけではダメ。様々な外国人とビジネスを進めていくには、彼らが育った異文化を深く理解し、粘り強く交渉する力などが求められる」と話している。(石塚公康)

     

    模擬国連 大学生や高校生らが各国の外交官役を担当し、本物の国連の会議と同様に議論や交渉を行う活動。体験を通して国際政治の仕組みや国際問題などについて学ぶ。戦前に米国で始まり、世界各地に広がっている。

     様々な活動に挑戦している大学生や、企業で活躍する若手社員を紹介しながら、働く意味を考えます。

    2017年02月21日 10時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun