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    社会に出ることを意識して活動中の大学生、前向きに働く若手社員らを紹介します。

    サッカー練習動画で起業

    筑波大3年 木村友輔さん 20

    指導レベルの向上を

    • 「多くの人に支えられて起業できた。シェアトレの知名度を上げていきたい」と意気込む木村さん=高橋美帆撮影
      「多くの人に支えられて起業できた。シェアトレの知名度を上げていきたい」と意気込む木村さん=高橋美帆撮影

     「子供たちにサッカーを教える監督やコーチが、実践している練習内容を映した動画を投稿、検索し合えるウェブサイトがあれば、互いの指導レベルが上がるんじゃないか」

     そんなアイデアを実現したサイト「シェアトレ」を運営する株式会社を昨年9月、筑波大(茨城県)の大学院生ら3人と一緒に設立し、代表取締役に就任した。

     東京都出身。小学2年からサッカーを始めた。2015年、同大に進学し蹴球部しゅうきゅうぶに入ると、同県土浦市の小学生チームに指導者として派遣された。

     「大学生と同じ練習をさせるわけにはいかず、先輩の部員に相談し、何とか練習メニューを作った。地域の子供にボランティアで教える社会人や、中高のサッカー部を指導する先生は大変だろうなあと思った」


    資金集め開設、運営

     ビジネスにできないか、とプランを練ったのは15年夏、試合中にあばら骨を折り、部活動に参加できなかった時期。一人暮らしのため、自炊でよく利用する料理レシピの投稿・検索サイトがヒントになった。早速、課外授業の起業家育成講座を聴講。プランを披露すると、プログラミングができる院生らが「手伝いたい」と申し出てくれた。

     シェアトレは当面、無料で利用できるようにした。サイトの開設に必要な資金11万円は、クラウドファンディングで集め、その後の運営資金は、サイトへの広告掲載料などで補っている。

     今春、1年間の休学に踏み切った。事業拡大に注力するためだ。同大の協力で学内に部屋を借り、事務所を構えた。サイトに掲載の動画は現在約300本。自作の動画も追加し、充実を図るつもりだ。

     「1年間でどこまでできるか、力を試したい。就職することになっても、この経験が役立つと思う。スポーツの楽しさを広めるビジネスをしていくのが夢です」(金来ひろみ)
    低調な若者の起業

     国は起業を盛んにすることを成長戦略の柱の一つに掲げているが、低調だ。経済産業省の2015年度調査によると、成人全体で、起業後3年半未満の人と起業する予定の人を合わせた割合は4.8%。アメリカの半分程度で、調査した61か国中57位だった。

     起業する若者も少ない。12年の総務省調査では、起業者約514万人中15~29歳は1.5%。起業家育成のため、国や大学などはビジネスプランコンテストを実施している。

    クラウドファンディング インターネット上で、新しいビジネスや活動のアイデアなどを提案し、賛同者から出資を募る方法。欧米で始まり、日本でも2011年の東日本大震災を機に、復興に必要な資金調達の手段として広がった。

    2017年05月16日 05時21分 Copyright © The Yomiuri Shimbun