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    社会に出ることを意識して活動中の大学生、前向きに働く若手社員らを紹介します。

    中高生指導で地域おこし

    早稲田大3年  室賀 むろが はる のぶ さん 21

    島根に1年間移住

    • 自作した町営塾のPRポスターや教え子から贈られた色紙などを手にする室賀さん=池谷美帆撮影
      自作した町営塾のPRポスターや教え子から贈られた色紙などを手にする室賀さん=池谷美帆撮影

     2016年4月から1年間、大学を休学し、島根県津和野町に地域おこし協力隊の隊員として移住した。任されたのは町営学習塾「HAN-KOH(ハンコウ)」の授業アシスタント。中高生に英語や小論文の書き方などを教えた。定員割れの危機が続く県立津和野高校の魅力を広める活動も担った。

     「子供たちの進学を支え、地域を活気づける取り組みに、やりがいを感じた1年間でした」

     地元に大学がなく、学生生活をイメージしにくい生徒から、「大学では何を学ぶのか」といった質問を受け付け、進学相談に乗った。恋愛などの悩み事にも、身近な「お兄さん」としてアドバイスした。休日には、山あいの集落の祭りに参加するなど、住民と交流を深めた。

     川崎市の出身。「城下町の面影を残す町での暮らしは新鮮で、都会にはない空気感が心地よかった。お世話になった人たちにまた会いに行きたい」

    子供の居場所作りを

     仕事の厳しさも学んだ。塾のPRでは、大学に進んだ元塾生に自らインタビューして回り、フェイスブックで連載すると、好評を博した。一方で、提案が通らず、落ち込むこともあった。そんなとき、当時の塾長から「仕事は自分の思いをかなえることではなく、他者の思いや願いをかなえること」と言われ、胸に響いた。

     「自分の力を過信していた。先輩たちに学びつつ、一歩ずつ成長していけばよいと思い直した」

     高校時代はエッセーコンテストに応募したり、日本の商社がタイで進める電力事業を見学するツアーに参加したりと、学校以外の場でも熱心に学んだ。大学では社会教育を専攻し、高校生の進路支援に取り組むNPO法人に参加してきた。

     「津和野での経験を生かし、将来は学校以外に子供たちの居場所を増やすような教育活動に関わっていきたい」(堀内佑二)

    教育に関わるNPOも

     教育関係の職場は学校だけではない。学習塾や英会話教室、幼児教室、カルチャーセンターといった教育産業で働く人も多い。民間調査会社「矢野経済研究所」(東京)によると、こうした教育産業の市場は約2兆5000億円(2015年度)。少子化の影響はあるが、近年は堅調に推移しているという。

     そのほか、不登校の児童生徒が通うフリースクールを運営するNPO法人なども活動しており、教育関係の仕事は幅が広い。

    地域おこし協力隊 過疎化に悩む道府県や市町村が大都市出身の若者らに1~3年間、農林水産業や観光の振興などに従事してもらう制度。国が2009年度に始め、16年度は886自治体で3978人が活動した。14年度までに任期を終えた隊員の6割が赴任先に定住した。

    2017年06月06日 05時21分 Copyright © The Yomiuri Shimbun