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    社会に出ることを意識して活動中の大学生、前向きに働く若手社員らを紹介します。

    農業体験から理解を深める

    東京農業大2年 外山雄士さん(とやま・ゆうじ) 19

    学生が収穫や草取り

    • 「農業を営む大変さが実感できる」と活動の意義を話す外山さん=萩本朋子撮影
      「農業を営む大変さが実感できる」と活動の意義を話す外山さん=萩本朋子撮影

     全国各地で農業体験を行う学生団体「FaVo(ファボ)」の代表を務める。東京農業大を中心に、千葉大、横浜国立大、中央大など、首都圏の大学に通う約30人の学生がメンバーだ。それぞれが経営学や生命科学など様々な分野で学んでおり、「農作物の栽培法、農業を通した地域活性化、農業経営など、関心が異なる学生が集まって議論できるのが楽しい」と話す。

     体験の場所や内容は、各地の農業法人などと交渉して決める。収穫など達成感のある作業だけでなく、農業の日常の苦労を理解しようと、今春は千葉県や長野県で草取りやレタスの種まきを体験した。開墾作業にも携わり、「規模を拡大させて収益につなげることの大変さを肌で感じた」という。

     農作業を体験させてもらった農業法人などの米や野菜、加工品を青空市で販売する活動なども行っている。農家のこだわりを伝え、消費者に食や農業への理解を深めてほしいからだ。

    現場知り経営に興味

    • 学生団体「FaVo」が携わった開墾作業(外山さん提供)
      学生団体「FaVo」が携わった開墾作業(外山さん提供)

     浜松市出身で、祖父母はミカン農家。小中学生のころから収穫などを手伝っていたこともあり、「仕事」といえば農業か学校の先生くらいしか思い浮かばなかった。将来は、青年海外協力隊などに入って日本の農業技術を世界に伝えようと考え、東京農大の国際食料情報学部に進学した。

     ただ、大学の最初の2年間は、一般教養科目の授業が多く、「農業の基本を現場で知っておこう」とFaVoに入った。活動を続けるうちに農業法人の経営スタイルの違いなどに興味が深まり、反収(田畑約10アールあたりの収穫量)、農家が使用する設備や機械、販売方法など農業経営に興味がわいてきた。

     希望する進路も変わり、今は農業法人への就職などを考えている。「知識や技術を吸収し、いずれは自分が作ったおいしい農作物を多くの人に届けたい」と力強く語った。(佐藤寛之)

    若者の間で高まる農業への関心

     若者の間で、農業への関心が高まっている。

     農林水産省によると、2015年の新規就農者数は前年比12.8%増の6万5030人。このうち20~29歳では、農業法人などに新たに雇われた「新規雇用就農者数」が前年比31.0%増の3290人と伸びている。

     農業法人には、機械や設備が整い、農産物の生産はもちろん、加工や販売、流通などのノウハウを持った法人もある。研修なども充実した法人が多く、初心者でも就農へのハードルは低い。合同の就職説明会も開かれており、大学生も参加している。

    農業法人 法人形態で農業を営む会社組織などの総称。2009年の農地法改正で民間企業の農業への参入などが広がった。株式会社や農業協同組合法に基づく農事組合法人などがある。個人の農家より税制面で優遇され、経営管理の強化につながるなどの利点がある。

    2017年08月15日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun