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    社会に出ることを意識して活動中の大学生、前向きに働く若手社員らを紹介します。

    文系から酢の研究所へ

    タマノイ酢 川村梨花さん 24

    商品の試作100回

    • 「買い物に行ったら、店頭にある酢の成分表示を見て勉強しています」と話す川村さん(奈良県大和郡山市で)=吉野拓也撮影
      「買い物に行ったら、店頭にある酢の成分表示を見て勉強しています」と話す川村さん(奈良県大和郡山市で)=吉野拓也撮影

     2015年の入社以来、酢の基礎研究や調味料の開発などを担う中央研究所(奈良県大和郡山市)に所属。色合いや調理後の風味をイメージして原料を選び配合を考える。試行錯誤の連続で一つの商品の試作を100回近く繰り返すこともあるが、「落ち込んでいたら次には進めません」という。

     試作では、溶けにくい原料は分けて入れたり、混ぜる順序を変えたりするが、手順が増え、時間がかかると、製造コストに跳ね返ってくる。「最初はそれがわからず、工場側から指摘を受けました。工程の効率化も大切だと学びました」と振り返る。

     1年目は同期ら数人のチームで隣接する工場の業務改善も担当。上司から工場に毎日、足を運ぶよう言われた。その結果、装置の配置変更を提案して作業効率を高めることができた。「工場の同僚に顔を覚えてもらう狙いもあったと後で知り、指示の目的を自分なりに考えるようになりました」

    営業職志望だったが

     福岡県出身。中学のころから奈良で暮らし、奈良女子大では言語学を専攻。英語の小説や映画に浸った。「人と関わるのが好き」で新入生歓迎イベントの運営リーダーも務めた。

     就職活動では主に営業職を志望。「面接で協調性をアピールし、素の自分を一番出せた」というタマノイ酢への入社を決めた。文系出身の自分が研究所に配属されたときは驚いたが、「負けず嫌いな性格を見抜かれたのかもしれません」と笑う。微量の液体を吸い上げるピペットの持ち方から先輩に教わった。

     3月発売の調味料「トムヤムチャーハンの素」は1年がかりで開発。実家で家族と味わい達成感がこみ上げた。今は、創業110周年記念の新商品「金の万能調味酢」の開発に取り組む。

     「できることが日々増える楽しさがある。お客様に何度でも使っていただけるよう、おいしさをさらに追究していきたい」(辻阪光平)

    内定までの軌跡

    2013年12月 合同企業面接会などに参加

    2014年 1月 大学のキャリアセンターに通い始める。先輩の体験談を聞き、自己分析や業界研究を進める

          2月 百貨店や住宅メーカーなど約40社にエントリー

          3月 面接が始まる。6月頃までに約20社に足を運んだが、自分の強みをうまく伝えられずに悩む

          7月 就活のペースを落とし、卒業論文にも力を注ぐ

          9月 タマノイ酢から内定を得て就職活動を終了

    タマノイ酢

     1907年創業。酢や調味料などの製造販売を行う。本社は堺市。売上高は非公表。従業員数250人(2017年8月)。「ありのままの自分を尊重しつつ成長を信じて努力する」人材を求める。18年度の新卒採用予定者数は約30人。

    2017年08月22日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun