文字サイズ
    社会に出ることを意識して活動中の大学生、前向きに働く若手社員らを紹介します。

    子育て世帯で学ぶ「両立」

    慶応大大学院1年  新居 におり 日南恵 ひなえ さん 23

    「家族留学」仲介

    • 「働き方改革が求められる中、人も企業もみんなが幸せになる社会を目指したい」と話す新居さん(東京都内で)=大石健登撮影
      「働き方改革が求められる中、人も企業もみんなが幸せになる社会を目指したい」と話す新居さん(東京都内で)=大石健登撮影

     子育て中の共働き世帯を大学生が日帰りで訪問し、仕事と家庭の両立のイメージを持ってもらう「家族留学」の活動を、慶応大2年のときに他の大学の女子学生らと始めた。受け入れ家庭や参加学生を募集し、これまでに約500件の「留学」を実現させた。学生の参加費は1500円で、子どもと遊んだり離乳食を食べさせたりしながら親から仕事や家庭の話を聞く。

     「働くことを考える場はたくさんあるのに、家庭のことを考える場はほとんどない」と思ったのが家族留学を始めたきっかけ。「子どもがいる家庭を持つ良さを実感し、将来、自分が結婚したときに仕事と両立させる自信も持てるようです」と活動の成果を語る。

     家族留学の企画運営は、学生団体「manma(マンマ)」を母体に行っていた。その後、子育て中の会社員の職場を訪問し、社員食堂でざっくばらんに話を聞く企画なども考え、学生がキャリアを考える場を提供するようになった。企業と連携した活動を強化するため、今年1月にマンマを株式会社化し、自分が社長になった。

     今の活動の原点は、「高校時代にキャリア教育に力を入れるNPO法人の活動に参加したこと」と振り返る。社会人や大学生らと接し、IT企業の社員と高校生が語り合うイベントを自分で企画・運営するようにもなった。

    就職せず進学・起業

     今春、大学院の修士課程に進学した。一時は就職を考え、企業のインターンシップ(就業体験)に参加したが、「会社員では私がやりたいプロジェクトの立て方などは学べない」と思ったという。大学院では、イノベーション(経営革新)を生む思考法や家族のあり方について研究している。

     「両立支援の看板を掲げていても、実態は遅れている会社がたくさんあります。本気で環境を整えたい企業のお手伝いになり、学生の不安を和らげることができれば」と考えている。(山田睦子)

    社会人と会おう 取り組み増える

     大学生が社会人と接点を持つ機会を増やし、社会的、職業的な自立の意識などを育む取り組みが増えている。

     採用コンサルティング会社パフ(東京)は、大学1~3年生向けに社会人訪問を支援する企画を実施。1人の学生が会う社会人の目標は100人だ。同社の釘崎清秀社長は「本音で社会人と対話することで、マニュアル頼みにならない人間が育つ」と話す。

     山口大は、毎年11月から2月まで、学内で様々な業界・企業研究会を開催。100社以上の社会人と会った学生を表彰している。

    仕事と家庭の両立

     やりがいのある仕事と充実した家庭生活の調和を実現させること。少子高齢化が進む日本では、仕事をしながら子育てや介護ができる「両立支援」の環境整備が求められている。政府は結婚や出産の後でも仕事を続ける女性らを増やす「女性活躍推進」や、介護で仕事を辞めない「介護離職ゼロ」などの目標を掲げている。

    2017年11月07日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun