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    社会に出ることを意識して活動中の大学生、前向きに働く若手社員らを紹介します。

    理系女子の背中押したい

    東京理科大3年 大場万里菜さん 21

    仲間がいなくて悩んだ

    • 学園祭で、来場者に入浴剤の作り方を教える大場さん(11月、千葉県野田市の東京理科大野田キャンパスで)
      学園祭で、来場者に入浴剤の作り方を教える大場さん(11月、千葉県野田市の東京理科大野田キャンパスで)

     女子中高生に科学の魅力を伝える理系女子の学生団体「リケチェン!」の共同代表を務める。2010年に発足した団体の目標は、「理系女子のロールモデル(模範)を示して進路選択の幅を広げ、将来に向けて一歩踏み出すきっかけを提供する」ことだ。

     現在は、東京理科大や慶応大、奈良女子大など7大学の理系女子大生13人が活動。学校や企業と連携して中高生対象の実験教室を開いたり、理系出身の女性社会人にインタビューした記事を団体のホームページやフリーペーパーに掲載したりしている。

     栃木県の出身で、高校は理系コースを選択したが、「理系に進む女子が周囲におらず、文系に転向しようか悩んでいたときに、背中を押してくれたのが『リケチェン!』でした」と振り返る。女子高生を対象にした大学主催のイベントで団体のメンバーに出会った。「理系に進むと何を学べるのか」といった質問をぶつけると、親身になって相談にのってくれ、理系に進学するイメージがわいたという。

    ファッションも見てね

     これをきっかけに東京理科大工学部に進学し、「今度は自分が悩んでいる女子中高生の力になりたい」と団体のメンバーに加わった。特に力を入れる活動は、科学をテーマに昨年から毎年1回、都内で開くファッションショー「RIKEI GIRLS’ COLLECTION」。

     「暗くて地味」な理系女子のイメージを払拭ふっしょくし、ファッションも楽しんでいることを伝えたかったといい、今年2月のショーではシルエットをきれいに見せる白衣の着方、教科書がたくさん入るリュックに合わせた服装などを紹介。今は来年2月の開催に向け準備中で、「ファッションという身近な話題から科学に興味を持ってもらえるとうれしい」と意気込む。

     専攻は経営工学でプログラミングの知識などを学んでいる。これを生かしたいと、IT業界などへの就職に興味を示している。(金来ひろみ)

    女性研究者の育成支援 不可欠

     女性研究者の育成支援は、国内で科学技術に携わる人材の裾野を広げるためにも不可欠になっている。

     政府は、企業などに採用される自然科学系研究者の女性の割合を2020年度までに30%にすることを目指しているが、企業が求める工学系の女性自体が少ないのが現状だ。育児や介護で研究の継続が困難なことに加え、ロールモデルが少ないことが要因とみられる。

     大学や研究機関に保育園を設置するなど、育児と研究を両立する支援体制の整備や柔軟な雇用形態などが求められている。

    理系女子

     学校で理工系を専攻したり、理工系の仕事に就いたりする女性のこと。経済協力開発機構(OECD)が9月に発表した加盟35か国の教育に関する調査によると、大学などの高等教育で理工系を専攻する女子の割合は日本は16%で加盟国中最低だった。内閣府の調査でも、研究者に占める女性の割合は2014年時点で英国37%、米国34%に対し、日本は16年時点で15%にとどまる。

    2017年12月05日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun