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    社会に出ることを意識して活動中の大学生、前向きに働く若手社員らを紹介します。

    箱根1区 東大でつかむ

    東京大3年 近藤秀一さん 22

    • 大学の陸上部の仲間と走る近藤さん(右)。「1か月に走る距離など数値だけの目標は無意味。何を伸ばすための練習か、日々考えています」(14日、東京都目黒区の東大駒場キャンパスで)=奥西義和撮影
      大学の陸上部の仲間と走る近藤さん(右)。「1か月に走る距離など数値だけの目標は無意味。何を伸ばすための練習か、日々考えています」(14日、東京都目黒区の東大駒場キャンパスで)=奥西義和撮影

    大学選びも戦略

     来月の箱根駅伝に、関東学生連合チームの一員として参加する。昨年まで2年連続で連合チーム入りを果たしたが、いずれも補欠で本大会出場はならなかった。今年の予選会は、敗退校の選手中トップのタイムを記録し本大会で1区を走る予定だ。「三度目の正直なので、今回は舞い上がらず地に足をつけて臨みたい。100%の力を出せれば順位と結果はついてきます」と自信を見せる。

     静岡県函南かんなみ町の出身。箱根駅伝往路ゴールとなる神奈川県箱根町の隣町で、陸上を始めた小学生の頃から同駅伝にあこがれていた。高校2年のときに5000メートル走の記録を伸ばし、箱根駅伝常連の大学から誘いが来るようになった。だが、「強豪校で勝ち抜くにはまだ実力不足。自分にしか出来ない道を進もう」と東大を第1志望にした。

    勉強・陸上 壁はない

     現役では合格せず、1年間、浪人した。その間も、地元の記録会で5000メートルの自己ベストを更新し、周囲を驚かせた。「朝に15キロ走り、日中は図書館で勉強。帰宅後にまた10キロ走っていた。浪人中も進学したライバルたちを意識していました」と振り返る。

     東大では工学部化学生命工学科でバイオテクノロジーを学ぶ。週3回実験があり、今月も27日まで授業に出る。強豪校のライバルたちが食事付きの学生寮で過ごす中、都内のアパートで自炊する生活。大学の陸上部では主将を務める。夏合宿の費用を稼ぐため、中学生の家庭教師もしている。

     「文武両道という言葉は好きではない。目標を定め、そこに至る道のりを逆算し、努力する。勉強も陸上もやることは一緒で、その間に壁はないと思います」。30歳ぐらいまではランナーとしての自分を突き詰めたいと言うが、大学院に進学するのか、民間企業に就職するのかは決めていない。「まずは何を成し遂げたいのかをしっかり見定めてから」と、将来進む道もじっくり考えている。(恒川良輔)

    大学スポーツ 「文武両道」後押し

    • 文武両道をテーマに宮台さん(右)らと話す近藤さん(21日、東大本郷キャンパスで)
      文武両道をテーマに宮台さん(右)らと話す近藤さん(21日、東大本郷キャンパスで)

     大学スポーツ界で「文武両道」にたけた学生を育成する動きが活発だ。米国では、大学生が出場する試合の放映権や入場料などの収益で、競技の環境を整える一方、練習を週20時間に制限したり、学業の成績が低下すると練習や試合への参加を禁じたりしている。

     日本でも、これをモデルにした大学スポーツの統括団体を2018年度に創設すべきだとする報告書を文部科学省がまとめた。

     12月21日には大学スポーツをテーマにしたシンポジウムが東大で開かれ、近藤さんと東大野球部で日本ハムに入団が決まった宮台康平さん(写真左)が対談。近藤さんは「僕や宮台さんが活躍することで、短い時間でも効率よく練習するスタイルが広まれば」と話した。

    箱根駅伝の関東学生連合チーム 予選会を通過しなかった大学の記録上位者から選ばれる。メンバーは16人(1校1人まで)で、このうち10人が本大会に出場する。東大の選手が出場すれば13年ぶりのことになる。連合チームはオープン参加のため、タイムは参考扱いとなる。

    2018年01月02日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun