文字サイズ
    社会に出ることを意識して活動中の大学生、前向きに働く若手社員らを紹介します。

    開発途上国の給食費支援

    神戸大2年 小川 茉南 まな さん 20

    • TFTに賛同するカフェで紅茶を味わう小川さん。「この1杯で20円が支援に充てられます」(神戸市東灘区で)=浜井孝幸撮影
      TFTに賛同するカフェで紅茶を味わう小川さん。「この1杯で20円が支援に充てられます」(神戸市東灘区で)=浜井孝幸撮影

    学食のメニュー考案

     ヘルシーな食事の売り上げの一部を開発途上国の給食費に充てる運動「TABLE FOR TWO(TFT)」。これを学内で進めるサークル「TFT神戸大学プロジェクト」の代表に昨年12月、選ばれた。

     13人のメンバーで食事のレシピを開発し、大学生協が運営する学生食堂のメニューに年2回、期間限定で加えてもらっている。神戸市内の飲食店に、TFTへの協力を呼びかける活動にも取り組む。

     中学、高校では陸上部に所属。競技で勝つ食事を調べるうちに、栄養学に興味を持ち、食に関する研究をしようと大学は農学部に進んだ。

     TFTのサークルには、自分が考えたメニューが学食に並ぶことに魅力を感じて入った。1年の秋は7種類のメニューを提案し、「カボチャとサツマイモのクリーム煮」が採用された。手応えを感じたが、活動の理念への共鳴が次第に強くなり、自分のメニューが採用されるかどうかについてこだわりはなくなったという。

    野菜や果物栽培学ぶ

     世界で10億人近くが飢えに苦しむとされる中、20円の支援が途上国の給食1食分になる。提供された給食を食べる子どもの写真を見て、「1円でも多く届けることが大事」と感じた。

     サークルでは、昨年秋のメニュー提供期間中、大きなポスターを持ち声を張り上げ学食内を宣伝。過去最多の約1万食が売れた。「他大学の団体と合同のイベントを開くなどして、TFTの知名度を上げていきたい」と話す。

     学部では、野菜や果物の栽培方法を学ぶ。農場実習もあり、「自分で育てた野菜はいとおしい」と感じている。 将来は飲料メーカーでTFT対象商品の野菜ジュースを開発するのが目標だ。「健康を意識して飲む商品はTFTの理念にぴったり。多くの人に買ってもらえるおいしいジュースをつくって、会社にも社会にも貢献したい」と夢を膨らませる。(佐々木伶)

    飢餓や貧困から救う活動

     飢餓に苦しむ途上国などへの支援は様々な形で広がる。国際協力NGO「ハンガー・フリー・ワールド」は、書き損じはがきや余った切手を集めて換金し、バングラデシュなど4か国で学校給食を提供したり、栄養学や農業、保健衛生の知識を伝えたりしている。

     賞味期限などを理由に廃棄される食品を企業などから寄付してもらい、必要な人に無償で届ける「フードバンク」の活動も盛んだ。国内では約80団体が活動し、年間約5000トンを提供。公益財団法人「日本フードバンク連盟」の田中入馬事務局長は「学生のボランティアも少なくない。貧困や食糧が無駄になっている現状を最前線で知ることができる」と語る。

    TABLE FOR TWO(TFT) 生活習慣病の多い先進国で健康的な食事を提供し、売り上げの一部を開発途上国の給食支援に充てる取り組み。「一つの食卓(テーブル)を2人で分かち合う」が名前の由来で、食事をするだけで寄付ができる。2007年に日本で始まり、現在では国内外約700の企業・団体が参加している。

    2018年01月30日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun