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    大学生の就職活動に関する最新のニュースや話題を紹介します。

    内定先破綻 悲劇に遭わぬために

     旅行会社「てるみくらぶ」(東京)が経営破綻し、入社直前だった大学生らが内定を取り消された。就職活動中の2018年卒業予定の学生も、志望先の企業が経営や雇用実態などに問題がないか、チェックを心がけることが大切だ。(山田睦子、恒川良輔)

    「てるみくらぶ」不自然な採用活動

    • てるみくらぶの元内定者を対象にした合同就職面接会(8日、東京都内で)
      てるみくらぶの元内定者を対象にした合同就職面接会(8日、東京都内で)

     3月27日に内定を取り消されたのは58人。事態を重く見た厚生労働省は、元内定者の相談窓口を東京と大阪の新卒応援ハローワーク2か所に設置。業界団体の「日本旅行業協会」は今月8日、元内定者を対象に緊急の合同就職面接会を都内で開いた。40社が参加した。しかし、いつも国や業界団体などが支援策を打ち出してくれるとは限らない。問題のある企業を志望先に選ばないようにしたいものだ。

     都内の私立大のキャリアセンター職員は「てるみくらぶの場合、従業員数に比べて新卒採用予定者数が多く、不自然だった」と話す。同社は破綻直前まで18年新卒者を募集。リクルートキャリアが運営する就職情報サイト「リクナビ2018」には「従業員数145名」、「採用人数 今年度予定51~100名」と掲載されていた。キャリアセンター職員は「業界にもよるが、従業員数の2割以上を新規募集している会社は疑ってみるべきだろう。社員が次々離職している可能性がある」と指摘する。

     ただし、業績が急成長中で、大量採用する会社もある。信用調査会社「東京商工リサーチ」の原田三寛・情報部長は「就職情報サイトに載っている情報だけから経営状況まで判断するのは難しい」と話す。その上で「離職率が高いなど、おかしいと思うことがあったら、OB・OG訪問をして実情を聞いてみることが大切だ。信用調査会社が調べたデータを入手している大学のキャリアセンターもあるので、尋ねてみては」と勧める。

    離職率や残業…「公的認定」も参考に

     企業が公的な認定を受けているかどうかも参考になりそうだ。厚生労働省は、若者の雇用や育成に積極的な中小企業を「ユースエール認定企業」として公表している。過去3年間の新卒採用者の離職率が2割以下であることや、前年度の月平均残業時間や有給休暇平均取得日数の公表などが認定基準だ。今年1月末の時点で162社ある。

     若者の労働相談に乗るNPO法人「POSSEポッセ」(東京)の今野晴貴代表は「内定を取り消されて焦ると、再び問題企業に就職を決めかねない。冷静に判断して」と呼びかけている。

    2017年04月18日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun