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    文系院生「売り手市場」も不利?

     学生に有利な「売り手市場」と言われる2018年卒の就職活動。ただ、文系の大学院生は不利とされる。大学院で身につけた専門性などを評価しない企業が多いからだ。このため、院生向けに就活セミナーを開いたり、個別相談に乗ったりする大学や就活支援会社が現れている。(堀内佑二)

    企業側「専門性重視せず」9割

    • 就職支援セミナーでOB・OGの体験談に聞き入る大学院生たち(東京都国立市の一橋大で)
      就職支援セミナーでOB・OGの体験談に聞き入る大学院生たち(東京都国立市の一橋大で)

     法、経済など文系の学部・大学院のみを置く一橋大。4月6日、入学したばかりの修士課程1年生を対象に、「就職支援セミナー」が開かれた。約180人が昨春、同課程を卒業(修了)したOB・OGの就活体験談に聞き入った。

     金融機関に就職した武本久さん(25)は入学直後から学内のキャリア支援室に通って指導を受け、夏休みからインターンシップ(就業体験)に参加。「コツコツやっていくことが大切だ」と強調した。女子院生(23)は「参考になった。今すぐ準備を始めたほうがいいと感じた」と話していた。

     文部科学省の学校基本調査などによると、16年春の修士課程卒業者(博士課程などへの進学者を除く)のうち、専攻別にみた就職者の比率は、理学90.8%、工学95.2%。文系は人文科学59.5%、社会科学66.8%で、大きな開きがあった。学部卒の人文科学82.4%、社会科学85.8%に比べても低かった。

     一橋大が15年に40社から回答を得たアンケートでは、文系院生に期待する能力として、論理的思考力や仮説を立て検証する力などが多かった。一方で、専門性をあまり重視しない企業が9割を超えた。採用で懸念する点として「学部時代に就活がうまくいかず進学したのではないか」「自分なりに理屈を考え、組織の理屈に納得しにくい」「フットワークが重い」などが挙がった。

    大学は支援強化 限定セミナーも

     企業側から厳しい視線が注がれる中、一橋大や神戸大は院生限定のセミナーを開くなど、就職支援を強化してきた。また、院生対象の就職支援事業を手がける人材サービス会社も出てきた。06年創業の「アカリク」(東京)は院生専門に個別相談などの就職支援を行っている。

     同社の井上亮取締役(37)は「情報を収集し論文にまとめるなど、大学院でつけた力は仕事で生きる。ただ、専門にこだわり、就職がうまくいかない院生もいる。食わず嫌いをせず、視野を広げてほしい。なるべくインターンシップに参加し、働くイメージをつかむことが大切」と助言している。

    2017年05月02日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun