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    大学生の就職活動に関する最新のニュースや話題を紹介します。

    大学1、2年生に企業が食指

     大学1、2年生向けにインターンシップ(就業体験)を開くなど、企業が低学年の学生に接触する動きを見せている。低学年向けのインターンが探せるサイトも開設された。就職活動の準備に役立つとされるが、就活のさらなる早期化・長期化を懸念する声もある。(松本将統)

    インターンで早期接触 専用サイトも登場

    • 仮想の街の地図を見ながら、災害などのリスクについて意見を交わす大学1、2年生(8月、東京都千代田区の三井住友海上火災保険で)=繁田統央撮影 
      仮想の街の地図を見ながら、災害などのリスクについて意見を交わす大学1、2年生(8月、東京都千代田区の三井住友海上火災保険で)=繁田統央撮影 

     三井住友海上火災保険は今年夏、東京や大阪、札幌などの本支社で、大学1、2年生を対象にしたインターンシップを初めて実施した。

     8月末に東京で開いたインターンには15人が参加。仮想の街の地図上の山あいの遊園地や大型商業施設、海に面した工場などに潜む災害や事故のリスクを考え、これに備えた保険商品を1日かけて提案しあった。

     上智大1年の輪島さくらさん(20)は、「企業や業界を知れるチャンスなら少しでも早く参加したい」と話した。人事部採用チームの保坂宇衣課長代理は、「損保業界に興味を持つ第一歩となり、就活時の選択肢の一つに加われば」と期待していた。

     リクルートキャリアは、主に1、2年生向けにインターンを開く企業の情報を掲載したサイト「リクナビC」を11月に開設した。

     「早い時期から社会人との接点を持ち、働くとは何かを考えるきっかけを提供したい」と同社の担当者。期間が1か月以上の有給のインターンで、180社以上の情報を掲載。すべて東京での開催だが、今後はエリアを広げていきたいとしている。

    学生も「生の情報」求める

     国や経団連は、会社説明会が解禁される前のインターンシップで、採用選考の広報活動や選考そのものを行わないよう企業に求めている。だが「売り手市場」が続き、学生と早期に接触して関心を持ってもらう目的でインターンを開く企業は多い。通常、参加者は3年生が中心だが、学年を問わない場合は1、2年生が自主的に参加することもある。

     「業界研究や志望する会社の絞り込みに向けて、学生自身も早い時期から企業の『生の情報』を求める動きが高まっている」と、指摘するのは転職サイト運営会社「ビズリーチ」広報担当の辻香織さんだ。

     同社は10月下旬、金融や商社など38社の若手社員ら43人と、学生約930人が交流するイベントを東京都内で開いた。参加学生のうち1割が1、2年生だったといい、辻さんは、「今後は低学年の学生だけを対象にしたイベントの開催も検討していきたい」と話した。

    まずは職業観育てる大学も

     インターンシップは本来、学生の職業観を養うキャリア教育の一環として行われてきた。採用を見据えた「企業」や「就活」の要素を排した取り組みを進める大学もある。

     花園大(京都)は、1、2年生が古民家で5日間の共同生活を送りながら、収穫した野菜の袋詰めや販売を道の駅で行う「インターン」を9月から始めた。

     武蔵大(東京)は、1、2年生が少人数で社会人1年目の卒業生と対話したり、働き方について考えたりする講座を5月から始めた。キャリア支援担当の浅羽真知子さんは、「基礎的な職業観を身につけていない低学年の学生がインターンに参加すると、企業のペースに巻き込まれる恐れがある。まずは働く意味や目的を考える場を提供したい」と強調する。

    2017年11月28日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun