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    「3月スタート」薄れる意味合い

     2019年春に卒業予定の大学3年生らを対象に、企業が選考日程や採用予定人数などの情報を学生に伝える採用広報が3月1日に解禁される。ただ、学生優位の「売り手市場」を背景に、すでに学生と接触を図ってきた企業が多く、「解禁」の意味合いは薄れつつある。(恒川良輔)

    続く売り手市場 すでにセミナー

     国や経団連、大学は、採用広報を3年生の3月、面接などの選考を4年生の6月に解禁することを企業側に求めている。

     この日程になって今年で3年目だが、リクルートキャリアが昨年末から今年初めにかけて1192社に聞いた調査では、33%の企業が「採用に関する情報を解禁前の2月までに学生に提供した(予定を含む)」と回答し、2年前に行った同様の調査の21%より1.5倍に増えた。

     募集要項などを自社のホームページに掲載したり、インターンシップ(就業体験)に参加した学生に知らせたりする例がある。

     リクルートキャリア就職みらい研究所の中川陽介さんは、「人手不足の中、優秀な人材を早めに確保したい企業が、前のめりになっている」と指摘する。

     企業側は、解禁前のインターンシップ(就業体験)や、業界研究セミナーにも力を入れている。

    インターン落選に学生「ショック」

     2月10日に東京都内で開かれた業界研究セミナーには約250社が出展し、学生約1万4000人が詰めかけた。24日に都内で開かれた別のセミナーには約700社が出展。参加した東京の私立大3年の男子学生(21)は、「年末に志望企業のインターンシップ(就業体験)に参加した。セミナーで同業他社の説明を聞き比較している」と話した。

     こうした状況に、東京女子大学のキャリアカウンセラー岡崎浩二さんは、「学生と企業が接触する機会は増えており、『3月解禁』の意味合いは薄くなっている」と指摘する。

     ただ、すべての学生が売り手市場の恩恵を受けるわけではない。昨年夏、志望企業のインターンシップで参加者を絞る選考で落ちた、東京の私立大3年の男子学生(21)は、「早くも受からないと言われたようでショックだった。本番の選考を受けるのが怖い」と話す。

     3月1日の解禁以降は各地で合同企業説明会が開かれる。岡崎さんは「できるだけ多くの業種を見て、自分にあった企業を探してほしい」と呼びかけている。

    2018年03月06日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun