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久留米工業大学

久留米工業大学は、今年創立50周年を迎えた。「人間味豊かな産業人の育成」をめざし、実験、実習を通じてものづくりの難しさと楽しさを体得する教育を進め、学生の潜在能力を引き出している。「100号館テクノみらい館」や「インテリジェント・モビリティ研究所」も開設、100周年に向けて新たなスタートを切った。

工学部─機械システム工学科、交通機械工学科、建築・設備工学科、
情報ネットワーク工学科、教育創造工学科(教員養成学科)
大学院─エネルギーシステム工学専攻、電子情報システム工学専攻、
自動車システム工学専攻

〒830-0052 福岡県久留米市上津町2228-66
教育力 高校・大学教育のギャップを解消 基幹教育センター開設
学長 今泉勝巳氏

久留米工業大学の特徴の一つに、学生の自発的活動によるものづくりへの挑戦がある。競技用自動車を自作して争う「全日本学生フォーミュラ大会」やロボット、メカトロニクス製品の設計企画を競う「フューチャードリーム! ロボメカ・デザインコンペ」などで優れた成績を残し続けている。

座学だけでなく、ものづくりに強い伝統が学生に息づいていることを今泉勝己学長は高く評価する。「100周年に向けて、元気があふれる大学であり続けたい。知識・技術・教養の『知』、人間愛・優しさの『情』、意志力・精神力の『意』をバランス良く備えた学生の育成を改めて目標としたい」と感想を述べた。

どの学科も、ものづくりや実験を重視する。途中で予想もしなかった問題が起きる。原因を調べ解決策に知恵を絞って完成をめざし、最後に形になる醍醐(だいご)味が学生を成長させる。今泉学長は「学生は自分が思っている以上に能力があるが、多くの学生が気付いていない。気付かせ引き出すのが教員の役目です」と話す。

施設や最新機器の導入、学生支援整備も進んでいる。昨年完成した「100号館テクノみらい館」は、ダクトや電気配線がむき出しのユニークな設計。建築・設備工学科の学生は、日常的に見て、触れて、使いながら学ぶことができる。教育創造工学科では最新の電子黒板などICT機器が導入された。テクノみらい館の1、2階は学生向けの快適空間で、仲間とくつろいだり課題を仕上げる学生が多く利用している。女子学生専用のラウンジもあり、「理系女子」サポートにも力を入れる。

今春には「基幹教育センター」がスタートした。高校教育と大学教育のギャップ解消、コース制移行に伴う修学指導、特に物理と数学の基礎学力の見直しを図るのが目的だ。今泉学長は「ドロップアウトする学生をなくしたい。スタートしたばかりだが、すでに大幅に減っている」と手応えを感じている。

昨年完成した「100号館テクノみらい館」

就職支援でも、学生個人と企業のマッチングを考えたオーダーメイド型のサポートを行い、高い就職率を保っている。関東地方の企業が約半数を占めているが、優れた学生を確保したい地域の要望で、地域連携推進室を設置、コーディネーターを配置して地場企業でのインターンシップなどにも取り組んでいる。今泉学長は「就職活動では10年スパンで考える人生設計も大切。県外であれ地元であれ、働きがいのある場所を見つけるために全面的に応援したい」と話している。

研究力 世界のトヨタ流を取り入れ乗り物の未来を示す拠点に
学内のインテリジェント・モビリティ研究所

昨年発足した「インテリジェント・モビリティ研究所」と、今春開設された交通機械工学科先端交通機械コースは、未来を感じる魅力的な乗り物(モビリティ)社会研究の拠点として期待されている。

久留米工業大学の柱の一つが自動車研究。「カーアイランド」と呼ばれる北部九州には、数多くの自動車関連企業が立地する一方、全国的には若者の自動車離れが続くなど課題も多い。研究所は、自動車の魅力を高めて乗り物の未来を示す目的で設立された。デザイン、エンジン、ITなどの最先端技術がテーマ。「ワクワクできる、IT技術を搭載して人々のパートナーとなり得る乗り物の姿を示したい」と、東大輔研究所長・交通機械工学科長は話す。

4月から、トヨタ自動車九州から教授を招き、設計製図の講義を行っている。学生は、トヨタ流の設計哲学、実践的な手法に触れて大きな刺激を受けている。東所長も元自動車メーカーの空力専門家、設計経験を話すと学生たちの目が輝くという。「本物に触れる、実社会の話を聞くことで学生たちの意欲が上がる」と話す。一方で、考える習慣を付けるため手書きでの製図板作業も重視している。

また山間地農業をサポートできる農業用車両、福祉機器開発も重要なテーマだ。東所長は、「電気、ITなどの領域に目を向けると自動車には未来がある。自動車生産は日本の基幹産業。自動車メーカーとの産学連携で、自動車研究の分野で、台風の目になりたい」と意欲的だ。

環境力 最新のICT機器を活用スマホを使ったテストも
電子黒板を使用した授業の様子

数学、理科の中・高校教員を育成する教育創造工学科では、電子黒板など最新のICT機器を授業に活用して効果を上げている。

同学科は、実験や実技、実習を通じて「課題を解決できる教員」育成をめざしている。科学の実験では、教科書通りの結果はまず出ない。教科書通りにならない理由を考え、自力で解決することが大切だ。実験と実習を積み重ねる工学系の大学ならではのカリキュラムで、課題解決力のある教員を養成する。「自分の言葉で説明できる教員育成が、理系を支える原動力だ」と中村文彦学科長は話す。

学生たちはグループごとに実験を行い、結果を検証する。電子黒板は、実験結果や学生たちの仮説、議論の過程などをしっかりと記録に残すことができる。スマホを使ったテストの試みも行っている。解答プロセスがビッグデータとして記録されるため、学習、生活指導にも利用できると期待されている。

支援力 個人指導を徹底 将来を見据えた就職をサポート

久留米工業大学では、個人と企業のマッチングを重視するきめ細かいキャリアサポートを行っている。内定辞退や早期退職を防ぐには、行きたい会社とほしい人材のミスマッチをなくすことが重要だからだ。担当者は企業の人事部門だけでなく、現場の責任者にも面会して現場が必要としている人材の把握に努めている。

学生に対しても個人指導を徹底している。就職セミナーなどを通して礼儀礼節、報・連・相を体得させる。就きたい職業を明確にするために、インターンシップやOBとの個別面談なども活用している。

藤原孝造キャリアサポートセンター長は「何のために就職するのか、10年後を考えた就活ができるようサポートをしている」と話している。



 

 

テクガール(工学女子)紹介
機械システム工学科 3年 阿部奈月さん

久留米工業大学には約100人の女子学生が在籍している。阿部奈月さん(機械システム工学科3年)は、義肢装具士をめざして入学した。ものづくりに興味があり、体に装着する義肢づくりに女性の細やかさが生かせるはず、と思ってのことだ。

100号館テクノみらい館2階の女子学生専用ラウンジでは、静かな環境で勉強でき、同級生らと情報交換もできる。「器用な方ではないので努力する大切さを日々感じています」と話すが、自分がやりたいことをどんどんやらせてくれる環境に恵まれていると感じている。また、阿部さんは資格取得にも積極的に取り組み、昨年溶接技術の最上位の検定であるパイプ専門級に現役の女子学生としては全国で初めて合格した。

「先生たちは、好きにしていいよ、といいながら陰で見守っているのを感じます。温かいサポートがあるから、新しいことに楽しく挑戦できています」と話している。