「沖ノ島」世界遺産へ 構成4か所は除外
国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に日本が推薦している「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県)について、ユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」が、沖ノ島以外の構成資産を除外して登録するようユネスコに勧告した。文化庁が5日、発表した。7月にポーランドのクラクフで開かれる世界遺産委員会で登録が決まる見通しだ。
沖ノ島は、玄界灘の孤島に4~9世紀、大陸との航海安全を祈る祭祀が行われた痕跡がほぼ手つかずで残されていた。全島が宗像大社の「沖津宮」の境内になっており、戦後の発掘調査で発見された銅鏡や金製指輪など約8万点が国宝指定され、「海の正倉院」と呼ばれる。
遺産群は、沖ノ島(周辺の岩礁を合わせ構成資産数4)、宗像大社の「中津宮」「辺津宮」「沖津宮遥拝所」と、祭祀を担った古代豪族の墓とされる「新原・奴山古墳群」の計5か所、8資産で構成。福岡県と同県宗像市、福津市が共同提案し、政府は2016年、ユネスコに推薦したが、イコモスは沖ノ島以外の4か所、4資産を除外するよう勧告した。島そのものが古代祭祀の姿を残した沖ノ島に比べ、除外された構成資産は、世界的な視点での顕著な普遍的価値がどこにあるかがわかりにくかったとみられる。
2017年05月06日
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