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    歴史・文化財

    吉田松陰 江戸護送前日の書を確認

     山口県萩市の松陰神社は18日、幕末の志士、吉田松陰(1830~59年)が安政の大獄で萩から江戸へ護送される前日に書いた書幅しょふく=写真=を確認したと発表した。書幅の存在は約80年前の文献に記されていたが、実物が改めて確認された。同神社の宝物殿「至誠しせい館」で19日から展示される。

     同神社によると、書幅のうち、書が書かれた「本紙」は縦130・5センチ、横27・5センチで、松陰は1859年5月24日、長州藩士の前田孫右衛門まごえもん(1818~64年)に贈っていた。前田は藩の重役である「当職手元とうしょくてもと役」などを務め、松陰が江戸へ護送される際、待遇改善などに尽力したとされる。

     書幅には「世態せたい遷移せんいするも大義はそんす」(世の中が変わっても大義は存在する)という漢詩が書かれ、江戸で無実を訴えることや、「私恩を謝す」と前田への謝意がつづられている。

     書幅は今年4月、岐阜県内の前田の子孫から同神社に寄贈され、広島大の三宅紹宣つぐのぶ名誉教授に筆跡などを調べてもらったところ、松陰の真筆と確認された。1935年発行の「吉田松陰全集 第七巻」(岩波書店)の注意書きで記述されている書と同一という。

    2017年05月19日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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