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    歴史・文化財

    「ミゲルの墓」分析に注目…諫早で調査終了

     天正遣欧少年使節の一人、千々石ミゲルの墓とされる諫早市多良見町山川内にある石碑の発掘調査が終わった。実行委員会はガラス片やビーズ状の玉などの出土品について、キリスト教に関連した副葬品の可能性があるとしている。今後、分析を進めて報告書を作成する方針で、キリスト教を捨てたとされるミゲルの後半生に迫れるか注目される。

     出土したのは、青色で半円形のガラス片(長さ2・6センチ、幅1・4センチ、厚さ1ミリ未満)や、青、白、紺、黒、茶の5色のビーズ状の玉(直径2~5ミリ)59個のほか、人の歯や骨のようなもの。地中に木棺で土葬した形跡(縦90センチ、横45センチ)があり、いずれもその中から見つかった。

     調査を統括する石造物研究家の大石一久さんは「人物像を解き明かすことにつながれば」と思い描く。江戸時代の墓に詳しい早稲田大教授で日本考古学協会会長の谷川章雄さんは「ミゲルの評価に関わる大きな発見」と今後の鑑定に期待を寄せる。

     発掘調査が行われた石碑は高さ1・8メートル、幅1・2メートルで、地元では古くから「玄蕃げんばさん」と呼ばれていた。大村藩がミゲルにかつて与えた知行地にあり、夫婦とみられる戒名やミゲルの四男、千々石玄蕃の名前が刻まれていた。石碑の字体が示す年代や家系図などからも、一致するのはミゲルだけという。

     大石さんらは2014年と16年にも地中の調査に取り組み、今回は研究者や歴史研究グループなどで組織した実行委が、500万円以上の寄付を集めて8月20日から9月19日まで実施。3度目の挑戦で初めて出土品を確認し、関係者たちは万感の思いを抱いている。

    2017年09月24日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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